2011年3月29日火曜日

人を愛するということ

「驟雨」のなかで、吉行はこう書きます。

愛することは、この世の中に自分の分身を一つ持つことだ。

それは、気に入ることとは、まったく違う次元の話です。
愛することで、わずらわしさは2倍になり、鮮烈さも2倍になります。

わたしが、人が愛するのを止める所以です。

愛するには能力が必要になります。
だれもが、「愛する能力」を持っているわけではないのです。

「アルティメット」のレイトとローラのように誰でもがなれるわけではないのです。
彼らが兄妹であったことは、あることを象徴しています。

愛する行為には、男と女を越えたものがつきまとうのです。

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