2012年2月16日木曜日

モーターサイクル・ダイアリーズ


いつ見てもこの映画のチェが川を泳ぎわたるシーンにはある感慨がわたしを襲う。
それは、ゲバラが仲間への思いをこめた行為だからだ。

仲間という言葉を説明するのは厄介だが、この映画のチェが川を渡るシーンにそれがこめられている。
ゲバラのその後の人生は仲間へと捧げられる。
その潔さと無私は何者も近寄りがたい。

ゲバラの透明感は今やこの世に持つものとてないずば抜けたものだったと思う。
それが故の早い死であったし、アメリカの嫌った理由もその直進性にあったように思う。

まっすぐに人を愛する人間を人は嫌う。
残念なことに真直ぐに愛されたその本人でさえ恐怖感のために逃げる。

というわけで、仲間というものは、実は大変にみつけにくいものなのだ。

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2012年1月17日火曜日

アウトロー


イーストウッド監督の映画のよさはこの頃からあった。
いくつかの人間的要素の絡み合ったこの映画は、勧善懲悪だとかスカッとしたアクションに頼ることがない。
しみじみとした人間劇であるように今回は見た。

もう何回も見るこの映画は見るたびに印象が変わる。
イーストウッドがソンドラロックとはじめて出会う映画だが、男女の出会いもその中に見て取れる。

その後彼らは別れるが、人と人は会うたびにその関係性が変わる。
(そういう繊細な連中もいる)
会うたびに違いながらこの人でなければと思うのは、その人の心の中に通る棒のようなもののセイであろう。

わたしは、意外にソンドラロックが好きです。

彼女と別れた今もイーストウッドのなかに彼女はいるのだろうか。

いくつかの人間ドラマの中に私生活をまじえたイーストウッドとソンドラロックの関係が際立つこの映画は、わたしのなかでも胸がほろ苦くなる。

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フローズンリバー


こういう生きる人間の姿を映す映画を見るとまいってしまう。
何が面白いのかといわれれば、それまでなのですが。

この映画には、人が生きている。
それもつまらなさをその内部に抱えた人間で、生きるのに必死である。
嗚呼、生きるのはまことに苦しいものだ。

彼らはその後、少しは愉快な日々をすごしているのだろうか。

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2011年8月6日土曜日

英国王のスピーチ


池袋演芸場昼の部と新宿末廣亭夜の部の八月上席のトリは小三治師匠が取ることになっていました。
もう随分になるんでしょう。
とくに、池袋には開場の二時間くらい前から小三治のトリを目当てに噺好きが押しかけたもんです。
師匠も暑いさなかよく熱演をしてくれました。
それほど丈夫なお体でもないのに。

この恒例の小三治の夏が今年はありません。
どうしたんでしょうね。
ご存命ですし、何より高座に上がってらっしゃるのに…
さすがに真夏の十日間は難しいとお考えになったのだろうとそのお体のことを考えて、心配しております。

で、といってはなんですが、「英国王のスピーチ」を見てまいりました。
映画のことは詳しくはわかりませんが、落ち着いた造りになっておりました。
これといった盛り上がりもなく(イエイエ、あるにあるんですがね)大事に絵を取っている映画でした。

問題は、そのラストシーン。
これが、「間」を中心に据えた英国王のスピーチだったんですね。

「間」。

ひとつにはわたしは小三治師匠の「間」を味わいたくて毎年夏の池袋に通っていたのですね。
これからは、独演会ですか。
少し変わっちまいますかねえ、小三治師匠が。

この「間」を取ることが最近の芸人さんにはできませんね。
それは、聞き手が急いているからでしょうか。
時代が急いているからでしょうか。

「英国王のスピーチ」ではたまたまそのように「間」を取ってスピーチせざるを得なかったのですが、英国が戦争に突入するあの時期、あれは、絶品のスピーチだったんでしょうねえ。

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2011年7月24日日曜日

気狂いピエロ


つい先ごろ見た「勝手にしやがれ」もそうだが、ゴダールの映画に明確なストーリーはない。
いつまでたってもカタルシスは訪れず、ただ刺激的なセリフと映像が脈絡もなく突きつけられる。
観客はそれを自由に感じていればいいわけです。

今のハリウッド映画にある決め事は一切なく、それを期待していれば、結局はさっぱりわからないという感想になってしまう。(映画の最終評価は観客にあるのだから)
もちろん作成するゴダールに意思はあっただろうが、その意思をやさしく伝えようとするために鋭利な映像を変えるような愚はしなかった。
そのような伝え方はまやかしで、何も伝わらないと思ったのだろう。

伝わる伝わらないは度返しして、ただぶちまけた、そういう感じの強い映画がゴダール作品の中で残っている。
そして、ある条件下の観客にとってはその映画が異常に迫ってきたりする。

今のわたしにとって、ゴダールの映画は刺激的で、振り返りたくない感情の坩堝に落とし込んだりします。

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2011年7月11日月曜日

勝手にしやがれ


ゴダールのこの映画はトリフォーのシナリオが始点になる。
その後の仲たがいが嘘のようにトリフォーはこの映画をほめそやす。
その評は、わたしに共感を呼ぶ。

この映画は、むき出しの感性をこれでもかとぶつけてくるもので、一見しゃれているようにも思えるが、心地よくは感じられない。
こちらの完成まで逆なでされているようだ。

だからこそ、この映画である。

日曜日の朝に悪くない映画であった。
外に出ると、一気に暑い日差しに身がさらされた。

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2011年7月9日土曜日

コラテラル・ダメージ


この映画の脚本はすごい。
終始アメリカの正義を振りかざします。

あえてアメリカのひどさだけをここにあげつらうことはしませんが、こういう国策の洗脳映画の制作においては北朝鮮とこの国はどっこいどっこいだと思う。
そういう国に金魚の糞のようにくっついている国はさらに眼を覆う状態であるのか。

気分の悪さを洗い流すためにゴダールでも見に行こうかと思っています。
個人的趣味において、わたしにとってゴダールの映画を見る行為は、アメリカの広報映画よりはるかに精神によろしく反応します。

もう無駄な映画を見たり、無駄な人に会ったりする時間はないのだといつも思いますが、毎回、無駄に過ごしているような気がします。

そういえば、昨日会った若者はなかなかいい青年でした。
自分を誇りもせず、卑下もしないその態度は、ぜひとも日本に見習ってもらいたいものです。

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2011年7月3日日曜日

ガントレット


ソンドラ・ロックとイーストウッドがいい仲になるのは、この映画の前年「アウトロー」という作品の中であったのだから、この映画のソンドラとイーストウッドはいささかなまめかしい。

ここで言うなまめかしさとは、いわゆる巷間言われる「なまめかしさ」ではなく、男と女の関係のもつやや動物じみたののしり合いが、愛情の交歓に見えるといった種類のまったくもって男と女というものは…的ななまめかしさ、やるせなさ、わけのわからぬ磁力のようなものを指しています。

こればかりは経験を通さねばなかなか感じられぬもののようで、わたしのそれも不毛でどうにもならぬ女性とのやり取りの中で身についた感覚で、それでよかったのは、「ガントレット」にそれを見ることができるご褒美くらいのものです。(これが、なかなかに得がたいのですが)

そういえば、このところちらりちらりと読んでいる藤沢周平氏には、この女の厄介さによく通じていると思わせる部分があって、しきりにこの人の洞察力に感服させられます。
まじめな方だと思っていますが、こういう藤沢氏のような方がふと「…悪女がいい。…私はこのテの悪女の純情というのに弱くて、つい肩入れしてしまう。」と藤沢さんがエッセイに述べておられるのを読んだりすると、わたしも好みだけは、そのあたりに来たのだなあと感慨いにふける。

多かれ少なかれ、男の行き着く先は悪女につきるのであって、それが悪女の姿がトンと見えないというのであれば、恋愛においては、まだとば口に過ぎない幸せな場所に立っているということなのだろうと思う。
もちろん、それでいいのです。
悪女にひきつけられるようになってしまっては、火傷も何度かしなければならず…。
まあ、大変でしたね、イーストウッド監督も藤沢さんという先輩方も。

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2011年7月1日金曜日

カジュアリティーズ


いやな映画です。
ベトナム戦争の異常な世界の中で起こったこととして描かれているけれども、このような気分の男たちは、今の日本の中にもいます。
そして、そのような男を見慣れた女は、わたしに対してもその種の男のように見ます。
いたしかたあるまいと思います。
パタン認識とは、そういうものです。

大切にされたり大切にしたりする仲間の中で生きたいものです。

人を粗末にする人間は、あなたの思う以上に、あなたの周りに多いはずです。

あなたを大切にしてくれる人をつかんで放さないでください。
まあ、見抜けなければそれも無理なのですが…

なんともいやな映画でした。

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2011年6月26日日曜日

マトリックス


この間、テレビで「マトリックス」を観た。
とっさに「アルティメット」が浮かび、それからダビット・ベル、「YAMAKASHI」、バルクール…が次々と続いて浮かんできて、参ったまいった。

わたしは、なんにしても作品は貶さず、そのいいところを見抜こうと一貫していたいです。
けれども、ふと、批判が鎌首をもたげます。
批判が意味あるものになるためにはさまざまな過程が必要となります。
思いつきの批判などたいていはその場で、口にするものではないようです。

「マトリックス」は、泣ける映画です。
CGを駆使しいたこの映像の行き着く先が人の心を描くことであるのが、愉快でしたね。

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2011年6月14日火曜日

ノエル


ペネロペ目当てで観た映画でありましたが、とてもいい映画でした。(わたしにとって)
人が人に寄り添うということが、よく描かれておりました。

何かしら、このような人と人とのつながり方に、わたしは大変に弱いのです。
こういう人間関係に憧れます。
創出したく思います。

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2011年6月12日日曜日

アベンジャーズ


正確には、昨日の全国的に広がったパレードには、恥ずかしながら感動してしまいました。
わたしは、新宿にいましたが、デモと呼ばず、パレードと呼ぶことにこれほどまでの波及効果があるとは…
あの、名古屋の女の子のネーミングは、素晴らしいです。

もしかしたら、まだ、この国にも可能性があるのかもしれません。

そんな夜に、こんなハリウッドもどきの映画を見てしまうなんて、まるで、わたしの人生のようではないですか、

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2011年6月11日土曜日

バットマン


あらためて眺めてみれば、それも、ジャック・ニコルソン側から眺めてみれば、この映画、奥深いところもあって、新鮮だった。
映像美もあるしね。

ただ、キム・ベイシンガーに、あんなにたびたび叫び声を上げさせるのは、興ざめだったかな。
わたしの趣味としては。

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2011年6月4日土曜日

ジョゼと虎と魚たち


朝井リョウくんの作品で教えてもらった映画です。
でなかったら、見なかったな、たぶん…
この映画でも、若者のことを教えてもらいました。
名作でした。

他にも彼の作品の中には、いくつかの映画が紹介してありましたが、全部は見ないだろうな。
だって、オレの人生、あとわずかだから。
朝井くん、ごめんね。

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2011年5月28日土曜日

チェ・ミンシク

わたしは、シュリのこのシーンのチェ・ミンシクが好きです。
ここに韓国映画の緊張が集約されています。

どのシーンかをお知らせは、出来ませんが、わたしの土曜の午後のともし火になってくれました。

http://gyao.yahoo.co.jp/player/00867/v00157/v0000000000000001608/?list_id=1346469

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シュリ


福島以後、この国も戦時下に突入したと考えていいのかもしれない。
安全な食物は、もはやこの国にはないと考えていいのかもしれない。

年寄りは、放射性物質を享受し、若い命を育てることを第一にすべきなのかもしれない。

「シュリ」を眺めていれば、この国の能天気さがよくわかる。
もちろん、わたしはその能天気な人々の代表的な存在です。

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グエムル -漢江の怪物-


こういう時期にこの映画を見ると、いろんな意味で、たまりませんね。

シナリオに力の入った作品です。

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2011年5月27日金曜日

セントアンナの奇跡

戦争の一面を抉り取って秀逸でした。
わたしも含めて、人というものは、心して美しさを尊ばねば、穢れゆくものなのかもしれませんね。

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2011年5月10日火曜日

ダニー・ザ・ドッグ


リュック・ベッソンがモーツァルトのピアノソナタ11番を使った映画です。

「二キータ」「レオン」「ダニー・ザ・ドッグ」…、どれも切ないね。

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宿命


ご存知韓国のアクション・ノワールだが、韓国映画は熱いなあ。

この国の政府も、少しは熱くなってきたのかな…
国民につけを回さないのなら、それはそれで、上等と言うものだ。

なにせ。地震で壊れる可能性のある原発は、まだまだあるのだからな。


政府、リストラ上積み要請へ 原発事故賠償で東電に

 政府・民主党は10日、福島第1原発事故に伴う巨額の損害賠償をめぐり東京電力が政府に支援を要請したことを受け、賠償支援策の週内決定を目指した大詰め調整に入った。

 政府は前日に続き、関係閣僚が集まり、東電の清水正孝社長が表明した追加リストラ方針について協議。賠償資金の確保に向けた一段の合理化努力を求める見通しだ。東電の動向を見極めながら、賠償金支払いを確実に進めるための新機構設立を柱とする支援策について本格的な検討に入る。

 民主党も事故の賠償問題を議論するプロジェクトチーム(PT)総会を開催し、政府からの報告などを踏まえた協議を行った。

 東電の清水社長は10日、政府に賠償支援を要請した上で、新たなリストラ策として清水社長ら8人の報酬返上を表明。さらに保有する有価証券や不動産などの資産売却計画を決算発表までに取りまとめる方針を明らかにした。

政府、リストラ上積み要請へ 原発事故賠償で東電に

 政府・民主党は10日、福島第1原発事故に伴う巨額の損害賠償をめぐり東京電力が政府に支援を要請したことを受け、賠償支援策の週内決定を目指した大詰め調整に入った。

 政府は前日に続き、関係閣僚が集まり、東電の清水正孝社長が表明した追加リストラ方針について協議。賠償資金の確保に向けた一段の合理化努力を求める見通しだ。東電の動向を見極めながら、賠償金支払いを確実に進めるための新機構設立を柱とする支援策について本格的な検討に入る。

 民主党も事故の賠償問題を議論するプロジェクトチーム(PT)総会を開催し、政府からの報告などを踏まえた協議を行った。

 東電の清水社長は10日、政府に賠償支援を要請した上で、新たなリストラ策として清水社長ら8人の報酬返上を表明。さらに保有する有価証券や不動産などの資産売却計画を決算発表までに取りまとめる方針を明らかにした。
 

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