2011年8月6日土曜日

英国王のスピーチ


池袋演芸場昼の部と新宿末廣亭夜の部の八月上席のトリは小三治師匠が取ることになっていました。
もう随分になるんでしょう。
とくに、池袋には開場の二時間くらい前から小三治のトリを目当てに噺好きが押しかけたもんです。
師匠も暑いさなかよく熱演をしてくれました。
それほど丈夫なお体でもないのに。

この恒例の小三治の夏が今年はありません。
どうしたんでしょうね。
ご存命ですし、何より高座に上がってらっしゃるのに…
さすがに真夏の十日間は難しいとお考えになったのだろうとそのお体のことを考えて、心配しております。

で、といってはなんですが、「英国王のスピーチ」を見てまいりました。
映画のことは詳しくはわかりませんが、落ち着いた造りになっておりました。
これといった盛り上がりもなく(イエイエ、あるにあるんですがね)大事に絵を取っている映画でした。

問題は、そのラストシーン。
これが、「間」を中心に据えた英国王のスピーチだったんですね。

「間」。

ひとつにはわたしは小三治師匠の「間」を味わいたくて毎年夏の池袋に通っていたのですね。
これからは、独演会ですか。
少し変わっちまいますかねえ、小三治師匠が。

この「間」を取ることが最近の芸人さんにはできませんね。
それは、聞き手が急いているからでしょうか。
時代が急いているからでしょうか。

「英国王のスピーチ」ではたまたまそのように「間」を取ってスピーチせざるを得なかったのですが、英国が戦争に突入するあの時期、あれは、絶品のスピーチだったんでしょうねえ。

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