残念ながら、わが総理大臣は腑抜けです
「菅直人」という人災が、東日本大震災で受けた日本の傷口を、さらに広げている。復興の青写真を考える「復興構想会議」(議長・五百旗頭真防衛大学校長)の初会合が14日に開かれたが、菅直人首相(64)が震災後に次々に乱立させた「本部」や「会議」によって、政府はすでに混乱状態だ。不要な会議が組織を弱体化させるのは、サラリーマン社会では常識。「首相交代で政治空白を作るべきではない」との声もあるが、もうそんなことは言っていられない。日本は一刻も早く、菅直人という“がれき”を除去するべきだ。
「ただ元に戻す復旧ではなく、創造的な復興案を示してほしい」
菅首相は14日の会合で、こう注文をつけた。被災した岩手、宮城、福島3県の知事や都市計画の専門家、建築家ら15人が委員として出席し、「復興」が動き出した。
同会議は、6月をめどに緊急性の高い第1次提言、年内にも全体像を示した答申をまとめる方針。しかし、不安材料は多い。メンバーには官僚OBがおらず実務力が疑問視されているほか、菅政権が本部や会議を乱立させているため、「復興構想会議もその中の1つと国民に思われたら、東北がつぶれる」(脚本家の内舘牧子委員)と、早くも埋没が懸念されているのだ。
そもそも、政府・与党は3月の震災発生後、雨後のたけのこのように20もの「本部」や「会議」を設置した。しかし、1600億円もの義援金の分配さえ始まらないなど災害対策に遅れが出ているほか、東京電力福島第1原発の事故対応では海外から「遅すぎる」との批判を浴びている。
官僚は資料作りに追われ、西岡武夫参院議長は「会議が踊っている」と嘆くありさま。船頭多くして船山に登る、を地でいっている。
会議の乱立は国会でも問題視されている。自民党の佐藤正久参院議員は12日の参院外交防衛委員会で、独自に作成した「東日本大震災対策組織図」を示し、「いろいろなものができあがって責任が分散している。会議が多すぎて、何の会議か分からない。誰の指示を聞けばいいのか分からない。みんな困っている」と批判した。名前を見るとなるほど、同じ役割を連想させるものが多い。
原発事故では、土地を失ったり農産物の流通を規制されるといった直接の被害のほか、風評被害が起きている。これら経済損失の補填を担うとみられるのは「原子力経済被害対応本部」(対応本部)と「原子力損害賠償紛争審査会」(審査会)、「原子力被災者生活支援チーム」(支援チーム)のようだ。だが、このほかに「原発事故賠償チーム」の設置も予定されているという。役割分担はどうなっているのか。
同委で佐藤氏が「支援チームと対応本部の関係は」と尋ねると、田嶋要経済産業政務官は「すみません、対応本部、どれですか? 対策本部ですか?」と混乱。また、原子力損害賠償法に基づき文部科学省が所管する審査会について、佐藤氏が「所管はどこか」と聞いても、文科省の官僚は「質問通告を受けていないので…」と答えられなかった。
結局、「支援チームは物資の輸送、補給、被災者への被曝に関する医療などの確保などをする。対応本部は、その本部」(田嶋氏)ということだった。指令本部と実動部隊という区分けのようだが、いずれも本部長は海江田万里経産相。分ける必然性は感じられない。
一方、“無駄な会議”に数えられているのが、「与野党合同実務者会合」だ。民主党の岡田克也幹事長は「大変、有意義な会議だ」と胸を張るが、野党からは「岡田氏は議論の中身よりも、時間内で終わらせることを重視する」(出席者)と評判が悪い。新党改革の舛添要一代表はテレビ番組で「『協力してほしい』といいながら、野党がいい提案をしても実行しない。ガス抜きとしか思えない」と批判した。
菅首相が学者を中心とする参与を15人に増やしたことも「責任の所在があいまいになる」(民主党中堅議員)と評判がよくない。「1週間以上、開かれていない会議もある」(政府関係者)という。
タリーズコーヒージャパンの創業者で、みんなの党の松田公太参院議員は「経営者は会議を増やしたくなるものだが、内容が重なってわけが分からなくなる。こういう企業は必ず失敗する。特に緊急時の会議はひとつにして、そこですべてを決める“鍋ぶた型”の組織のほうが、素早く対処できる。与野党の党首クラスを集めた本部を作るべきです」と提案する。
政治評論家の浅川博忠氏は「民主党には野党時代から、実行できるかはともかく、議論して結論を出せば仕事をしているという気分がある。『政治主導』で官僚を排除してきた結果、有識者や学者といった人たちによる、実務を離れた机上の空論が横行し、政府が振り回されている。完全に制御不能だ。このままでは、世界から日本が見放される」と話している。
復興構想会議の五百旗頭真議長は14日の記者会見で、「復興に要する経費を考えると、国民全体が負担する必要がある」と述べ、復興税創設を検討する考えを表明した。
復興税は「検討部会」(部会長・飯尾潤政策研究大学院大教授)で集中的に議論する方向。五百旗頭氏は早期に与野党や各界から意見を聴取する方針も示した。
「ただ元に戻す復旧ではなく、創造的な復興案を示してほしい」
菅首相は14日の会合で、こう注文をつけた。被災した岩手、宮城、福島3県の知事や都市計画の専門家、建築家ら15人が委員として出席し、「復興」が動き出した。
同会議は、6月をめどに緊急性の高い第1次提言、年内にも全体像を示した答申をまとめる方針。しかし、不安材料は多い。メンバーには官僚OBがおらず実務力が疑問視されているほか、菅政権が本部や会議を乱立させているため、「復興構想会議もその中の1つと国民に思われたら、東北がつぶれる」(脚本家の内舘牧子委員)と、早くも埋没が懸念されているのだ。
そもそも、政府・与党は3月の震災発生後、雨後のたけのこのように20もの「本部」や「会議」を設置した。しかし、1600億円もの義援金の分配さえ始まらないなど災害対策に遅れが出ているほか、東京電力福島第1原発の事故対応では海外から「遅すぎる」との批判を浴びている。
官僚は資料作りに追われ、西岡武夫参院議長は「会議が踊っている」と嘆くありさま。船頭多くして船山に登る、を地でいっている。
会議の乱立は国会でも問題視されている。自民党の佐藤正久参院議員は12日の参院外交防衛委員会で、独自に作成した「東日本大震災対策組織図」を示し、「いろいろなものができあがって責任が分散している。会議が多すぎて、何の会議か分からない。誰の指示を聞けばいいのか分からない。みんな困っている」と批判した。名前を見るとなるほど、同じ役割を連想させるものが多い。
原発事故では、土地を失ったり農産物の流通を規制されるといった直接の被害のほか、風評被害が起きている。これら経済損失の補填を担うとみられるのは「原子力経済被害対応本部」(対応本部)と「原子力損害賠償紛争審査会」(審査会)、「原子力被災者生活支援チーム」(支援チーム)のようだ。だが、このほかに「原発事故賠償チーム」の設置も予定されているという。役割分担はどうなっているのか。
同委で佐藤氏が「支援チームと対応本部の関係は」と尋ねると、田嶋要経済産業政務官は「すみません、対応本部、どれですか? 対策本部ですか?」と混乱。また、原子力損害賠償法に基づき文部科学省が所管する審査会について、佐藤氏が「所管はどこか」と聞いても、文科省の官僚は「質問通告を受けていないので…」と答えられなかった。
結局、「支援チームは物資の輸送、補給、被災者への被曝に関する医療などの確保などをする。対応本部は、その本部」(田嶋氏)ということだった。指令本部と実動部隊という区分けのようだが、いずれも本部長は海江田万里経産相。分ける必然性は感じられない。
一方、“無駄な会議”に数えられているのが、「与野党合同実務者会合」だ。民主党の岡田克也幹事長は「大変、有意義な会議だ」と胸を張るが、野党からは「岡田氏は議論の中身よりも、時間内で終わらせることを重視する」(出席者)と評判が悪い。新党改革の舛添要一代表はテレビ番組で「『協力してほしい』といいながら、野党がいい提案をしても実行しない。ガス抜きとしか思えない」と批判した。
菅首相が学者を中心とする参与を15人に増やしたことも「責任の所在があいまいになる」(民主党中堅議員)と評判がよくない。「1週間以上、開かれていない会議もある」(政府関係者)という。
タリーズコーヒージャパンの創業者で、みんなの党の松田公太参院議員は「経営者は会議を増やしたくなるものだが、内容が重なってわけが分からなくなる。こういう企業は必ず失敗する。特に緊急時の会議はひとつにして、そこですべてを決める“鍋ぶた型”の組織のほうが、素早く対処できる。与野党の党首クラスを集めた本部を作るべきです」と提案する。
政治評論家の浅川博忠氏は「民主党には野党時代から、実行できるかはともかく、議論して結論を出せば仕事をしているという気分がある。『政治主導』で官僚を排除してきた結果、有識者や学者といった人たちによる、実務を離れた机上の空論が横行し、政府が振り回されている。完全に制御不能だ。このままでは、世界から日本が見放される」と話している。
復興構想会議の五百旗頭真議長は14日の記者会見で、「復興に要する経費を考えると、国民全体が負担する必要がある」と述べ、復興税創設を検討する考えを表明した。
復興税は「検討部会」(部会長・飯尾潤政策研究大学院大教授)で集中的に議論する方向。五百旗頭氏は早期に与野党や各界から意見を聴取する方針も示した。
ラベル: 社会
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