2011年5月1日日曜日

食べないですむのなら、食べないですませたい

毎時3・8マイクロシーベルトって?
 前回、「福島の子どもが不安だ」というタイトルで書いたブログの文章の、放射線量の表現が、わかりにくいとのコメントをいただきました。ご指摘の通りです。大変わかりにくい。改めて補足したいと思います。

 補足にあたり、4月25日に、札幌で開かれた「25年目のチェルノブイリーデー記念講演会」で講演された、大阪の脱原発市民団体「美浜の会」代表の小山英之さんのお話を参考に使わせていただきます。(講演会の様子は、どうしんウェブの動画ニュースに掲載)。
 
 ブログは、「文部科学省は福島県に対して、小中学校や幼稚園、保育所など子どものいる施設で、放射線量が毎時3・8マイクロシーベルトを超えた13校について、校庭での活動を一日一時間程度に抑えるなど屋外活動を制限するように、同県に通知した」という4月20日付の記事に関するものです。

 ところで、この毎時3・8マイクロシーベルトですが、年間の積算放射線量の基準を20ミリシーベルトとしたときの値だそうです。年間20ミリシーベルト(2万マイクロシーベルト)を単純に年間の総時間数で割ると、毎時2・28マイクロシーベルトなのですが、なぜ毎時3・8マイクロシーベルトなのでしょうか。

 小山さんによると、文科省は、年間の3分の2は室内で過ごし、子どもが浴びる放射線量は屋外よりも少なくなる、との仮定のもとに計算式を作りました。
その計算式によると、屋外では、毎時3・8マイクロシーベルト、屋内では、1・52マイクロシーベルトとした場合、およそ年間20ミリシーベルトとなります。ただし、これは外部被ばくのみです。

 ところで、3か月間の累積で、放射能が1・3ミリシーベルトを超える場所は、特定の人以外の立ち入りを禁止する「放射線管理区域」となります。放射線管理区域の放射線の基準値を、時間当たりで割ると、毎時0・6マイクロシーベルトになります。

 つまり文科省は「放射線管理区域」よりも、放射能レベルが高い校庭などの場所で、子どもたちが活動することを問題ないと、福島県教委に通知したのです。

 原発労働による被ばくが白血病の原因として労災が認められたのは、年平均で40ミリシーベルト。成長期の子どもは、大人の10倍、放射能の影響を受けやすいという説もあります。
 
 子どもの外部被ばく年間20ミリシーベルト問題、5月2日に、小山さんの会をはじめ市民団体が文科省などに対して、この基準を撤回するための政府交渉を行うそうです。果たして、文科省はどんな説明をするのでしょうか。注目です。

 原発事故の収束のめどがつかない中、今回の子どもへの外部被ばくのように、異常な事態が次第に平常となっていくのが、そら恐ろしいですね。そういえば、最近、野菜の放射性物質汚染のニュースがめっきり減りました。そのうち、食品への放射線物質の暫定値がどんどん引き上げられ、やがて、放射性物質が付着した野菜や乳製品、肉を食べない人は、非国民といわれる、なんて風潮にならなければいいんですが。

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