2011年4月4日月曜日

ニュー・シネマ・パラダイス



名作です。
したがって、多くの言葉を費やす必要はありません。

ただ、ひとつ、このセリフをお贈りしたい。
確か、このようなセリフです。

アルフレードが、青年サルヴァトーレに語ります。

「サルヴァトーレ、人生は映画のようにはいかないんだよ」

そういうことです。
映画は切り取られたものの集積で出来上がった物語です。

人生は、丸抱えするしかありません。
丸が返したそのものを
丸抱えしたその人を
愛する以外に愛する行為は成り立たないのです。

清濁併せ呑むという表現もあります。

今回の震災で、実人生は、もうすでにぼろぼろです。

けれども、わらわれには、個々の心のなかに映画があります。
それを、記憶と呼んでいます。
あるいは、思い出とも呼んでいます。

いかなる大震災だとて、あなたのその美しく切なく大切な、あなたのなかの映像を破壊することは出来ません。

わたしたちに映画や音楽や絵画や花たちが寄り添うのは、
わたしたちが、そういう仮想のかけがえのない世界をもっているからなのです。

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