ニュー・シネマ・パラダイス
名作です。
したがって、多くの言葉を費やす必要はありません。
ただ、ひとつ、このセリフをお贈りしたい。
確か、このようなセリフです。
アルフレードが、青年サルヴァトーレに語ります。
「サルヴァトーレ、人生は映画のようにはいかないんだよ」
そういうことです。
映画は切り取られたものの集積で出来上がった物語です。
人生は、丸抱えするしかありません。
丸が返したそのものを
丸抱えしたその人を
愛する以外に愛する行為は成り立たないのです。
清濁併せ呑むという表現もあります。
今回の震災で、実人生は、もうすでにぼろぼろです。
けれども、わらわれには、個々の心のなかに映画があります。
それを、記憶と呼んでいます。
あるいは、思い出とも呼んでいます。
いかなる大震災だとて、あなたのその美しく切なく大切な、あなたのなかの映像を破壊することは出来ません。
わたしたちに映画や音楽や絵画や花たちが寄り添うのは、
わたしたちが、そういう仮想のかけがえのない世界をもっているからなのです。
ラベル: 映画
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