武田先生のご意見です
原発の「安全性」を決めるもの
5月8日、福島原発で次の措置のために若干の放射性物質がでます。
でも、私たちに取って危険なものではありません。それは、私たちにとっては「すでに福島原発事故は終わっている」からです。
ただ、東電ではまだ作業が続きますが、それは私たちには関係がないことです。このブログでは3月下旬に「すでに福島原発では大きな変化は起こらない」としていますが、徐々に静かになっていくのを見て行くだけです。
私たちが直面している問題は、この事故が起こってから終始、「放射線から子供達をどのように守るか」ということで、それは「子供がもっとも被曝しやすい」ということと、「子供を守れば、妊婦も含めて大人を守ることができる」からでもあります。
今、もっとも大切なのは、
1) 子供を公園に連れて行かない、
2) 子供を雑草や芝生に近づけない、
の2つでしょう。
・・・・・・・・・本論・・・・・・
原発は次の段階に進みつつある.
このブログでも「社会を混乱させる放射線医学・防御の専門家」というのを書いたが、この問題をもう少し深く考えてみる.
福島原発事故が起こる前、放射線防護の専門家とマスコミは、次のように言っていた.
1. 1年1ミリ以上の被曝は確率的にガンを発生させる、
2. 原発からの放射性物質の漏洩は量によらず大変なことである、
ところが、事故が起こると、突然、
1. 1年100ミリまで大丈夫である、
2. 柏崎原発事故より20億倍の放射線が漏れても健康に影響がない、
と言い出した。このぐらい大きく変わると、「原発の安全性」も考え直さなければならない。
・・・・・・・・・
たとえば、熱を発するものの設計をするときに、「人間は60℃でやけどをする」というのと、「人間は1000℃までやけどをしない」というのでは考え方も、設計が違う.
それも突然、事故が起こったからというだけで、やけどをする温度が60℃が1000℃になると言うのでは、安全もなにも考えることが出来ない。
もし、多くの「放射線の専門家」が言ったように「1年100ミリまで安全だ」というなら、私は再び「原発推進派」になることができる。
浜岡原発も「危険」から「安全」に変わる. まして、大阪のテレビに良く出ていた医師の言われるように「放射線はあびるほど健康になる」というなら、さらに積極的に原発を進めることができる。
日本のエネルギー問題も無くなるし、これまで何を目的に「安全な原発」を考えてきたかも判らない。
原子力の関係者はすべてのことを「1年1ミリ」と「人間は放射線をあびない方が良い」という前提で研究をしてきた。
それは原子力の関係者が言ってきたことではない。放射線医学や防護の人から習ってきたことだ。
それが逆というなら、まったく異なる世界になる。
・・・・・・・・・
マスコミも同じだ。
NHKは「1年100ミリまで大丈夫」という人をたびたび登場させた。
朝日新聞は「人間は100人に30人がガンで死ぬのだから、0.5人が放射線でガンになっても問題ではない」という記事を女性記者が書き、大きく掲載した。
それなら、原発の安全性はまったく変わり、日本の原発は安全になる.
でも、これは放射線医学と防御の専門家が決めることであって、私でも電力会社でもない。だから、シッカリして欲しい。
・・・・・・・・・
再度、呼びかけたい.
放射線医学と防御の専門家の皆さん!!
一体、1年1ミリなのですか? 子供が1年20ミリなのですか? 1年100ミリなのですか? どっちなのですか??
それによって、私たちの判断も生活も180度変わるのです!!
あなた方の判断と発言はそれほど大きな意味を持っているのです!!
すぐ、結論を出してください。
「真実」であるかどうかではなく、「事故前の1年1ミリ」と「事故後の1年100ミリ」の差の理由だけでも結構です。
それがすべてのスタートですから。
・・・・・・・・・
政府の人へ。
もし、福島の子供が「1年20ミリ」まで安全なら、浜岡原発を止める理由はありません。
福島の子供が放射線に強く、静岡の人が放射線に弱いということはありません。誠実な心を持ってしっかりやってください。
(平成23年5月8日 午後2時 執筆)
武田邦彦
5月8日、福島原発で次の措置のために若干の放射性物質がでます。
でも、私たちに取って危険なものではありません。それは、私たちにとっては「すでに福島原発事故は終わっている」からです。
ただ、東電ではまだ作業が続きますが、それは私たちには関係がないことです。このブログでは3月下旬に「すでに福島原発では大きな変化は起こらない」としていますが、徐々に静かになっていくのを見て行くだけです。
私たちが直面している問題は、この事故が起こってから終始、「放射線から子供達をどのように守るか」ということで、それは「子供がもっとも被曝しやすい」ということと、「子供を守れば、妊婦も含めて大人を守ることができる」からでもあります。
今、もっとも大切なのは、
1) 子供を公園に連れて行かない、
2) 子供を雑草や芝生に近づけない、
の2つでしょう。
・・・・・・・・・本論・・・・・・
原発は次の段階に進みつつある.
このブログでも「社会を混乱させる放射線医学・防御の専門家」というのを書いたが、この問題をもう少し深く考えてみる.
福島原発事故が起こる前、放射線防護の専門家とマスコミは、次のように言っていた.
1. 1年1ミリ以上の被曝は確率的にガンを発生させる、
2. 原発からの放射性物質の漏洩は量によらず大変なことである、
ところが、事故が起こると、突然、
1. 1年100ミリまで大丈夫である、
2. 柏崎原発事故より20億倍の放射線が漏れても健康に影響がない、
と言い出した。このぐらい大きく変わると、「原発の安全性」も考え直さなければならない。
・・・・・・・・・
たとえば、熱を発するものの設計をするときに、「人間は60℃でやけどをする」というのと、「人間は1000℃までやけどをしない」というのでは考え方も、設計が違う.
それも突然、事故が起こったからというだけで、やけどをする温度が60℃が1000℃になると言うのでは、安全もなにも考えることが出来ない。
もし、多くの「放射線の専門家」が言ったように「1年100ミリまで安全だ」というなら、私は再び「原発推進派」になることができる。
浜岡原発も「危険」から「安全」に変わる. まして、大阪のテレビに良く出ていた医師の言われるように「放射線はあびるほど健康になる」というなら、さらに積極的に原発を進めることができる。
日本のエネルギー問題も無くなるし、これまで何を目的に「安全な原発」を考えてきたかも判らない。
原子力の関係者はすべてのことを「1年1ミリ」と「人間は放射線をあびない方が良い」という前提で研究をしてきた。
それは原子力の関係者が言ってきたことではない。放射線医学や防護の人から習ってきたことだ。
それが逆というなら、まったく異なる世界になる。
・・・・・・・・・
マスコミも同じだ。
NHKは「1年100ミリまで大丈夫」という人をたびたび登場させた。
朝日新聞は「人間は100人に30人がガンで死ぬのだから、0.5人が放射線でガンになっても問題ではない」という記事を女性記者が書き、大きく掲載した。
それなら、原発の安全性はまったく変わり、日本の原発は安全になる.
でも、これは放射線医学と防御の専門家が決めることであって、私でも電力会社でもない。だから、シッカリして欲しい。
・・・・・・・・・
再度、呼びかけたい.
放射線医学と防御の専門家の皆さん!!
一体、1年1ミリなのですか? 子供が1年20ミリなのですか? 1年100ミリなのですか? どっちなのですか??
それによって、私たちの判断も生活も180度変わるのです!!
あなた方の判断と発言はそれほど大きな意味を持っているのです!!
すぐ、結論を出してください。
「真実」であるかどうかではなく、「事故前の1年1ミリ」と「事故後の1年100ミリ」の差の理由だけでも結構です。
それがすべてのスタートですから。
・・・・・・・・・
政府の人へ。
もし、福島の子供が「1年20ミリ」まで安全なら、浜岡原発を止める理由はありません。
福島の子供が放射線に強く、静岡の人が放射線に弱いということはありません。誠実な心を持ってしっかりやってください。
(平成23年5月8日 午後2時 執筆)
武田邦彦
ラベル: 社会
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