2011年7月30日土曜日

福島の母たちの胸は張り裂けそうです

政府、東電の補償を求めて抗議の声を上げる福島からの自主避難者たち。(29日、文科省前。写真:筆者撮影)

「危なければ、自主避難すればいいではないか」という言いぐさがありますが、それはあまりにも部外者の言い方過ぎるでしょう。
部外者は、引っ込んでいろということです。

ところで、東電や政府は当事者なのにいつまでも部外者気取り。
この国には、部外者があふれ、形だけのお悔やみを申し述べているのみです。
花火の自粛や「東北ガンバレ」にどれだの真実があるのでしょうか。

では、真実とは何かと問われますでしょうか。
その問いが、まさに部外者の発想ではないでしょうか。
あなたにとっての真実は貸衣装屋には売っていないものです。

以下は、田中龍作ジャーナルより。

 福島第一原発事故による損害賠償の範囲を決める「原子力損害賠償紛争審査会」の中間指針は来月5日にも決まる予定だ。ところが高濃度の放射性物質に汚染された危険地帯でありながら、避難地域に指定されていない地帯から脱出した避難者は損害賠償の対象とならない可能性が高くなっている。

 大詰めの中間指針案が提示された29日、福島からの自主避難者が紛争審査会を所管する文科省前で抗議の声をあげた。

 福島市から山形県米沢市の雇用促進住宅に子供を連れて避難した女性はシングルマザーだ。子供は小学5年生(11歳・男)と3年生(8歳・女)――

 「お金はなかったが子供の安全が大事だと思ったので避難した。去年の今頃は川原で水遊びをしていた。もう2度とできない。あの事故がなければオジイちゃん、おバアちゃん、そして友達もいた。避難したくて避難したわけではない。にもかかわらず『勝手に避難した』という扱いを受けるのは納得できない。援助があれば踏み出せるお母さんはたくさんいる。除染してもすぐに新しい放射能が降り積もる。除染する金があったら子供たちを避難させて下さい」。

 行政の援助や東電からの仮払いがない。これが自主避難者を苦しめていることを改めて思い知らされるメッセージが届けられた――

 「子供をガンにしたくて産んだんじゃない。借金して夜逃げしても避難するしかない」。メッセージを寄せた母親は福島市から関西に避難した。

 抗議集会には首都圏在住の母親たちも応援に駆け付けた。埼玉県在住の女性は3歳(女)と1歳(男)の子供を連れて参加した。彼女は原発事故直後の3月15日から5月の連休明けまで子供を連れて実家の熊本に身を寄せていた。「福島にまだ子供がいるなんて考えられない」と顔を曇らせた。

 別の埼玉県在住の女性はネットで抗議集会を知った。「福島県の人々は全員補償すべき。コンパスの円で区別するなんてホントに狂っている」と憤りを隠せない様子だ。彼女は福島県庁に抗議の電話を入れたという。「山下(俊一・福島県立医大副学長)の話だけ一方的に聞かせるんじゃなく、小出(裕章・京大原子炉実験所助教)さんの話も公平に聞かせて住民に判断させてほしい」。

 食物汚染の次に来るものは人間の健康被害だ。福島市内の子供の尿からは放射性物質セシウムが検出されている。子供の健康被害をこれ以上深刻化させないためにも一刻も早く避難させなければならない。役所や学者の判断を待つのではなく政治家が決断して動くほかはない。時間との戦いになっている。

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