2011年4月6日水曜日

放射線量、屋内10分の1説について

屋内10分の1!?


屋外の放射線が1マイクロ(シーベルトは省略します)の時に屋内にいればその10分の1になると言われています。

文科省が発表している各地の放射線のデータは「屋外の放射線の強さ」ですので、「それをそのまま使うのは間違っている.まさか24時間、屋外にいる人はいないだろう」と政府や NHK は言っています。安全だということを強調したいのかも知れません。でもそれが危険なのです.

・・・

確かに、密閉した家屋にいると(国のデータでは)屋外の10分の1から4分の1の範囲になることが知られています。

しかし、現実に普通の生活をしているときの屋外と屋内の放射線量を測定してみますとほとんど変わりません。特に今回、中部大学の卒業生が2度にわたって、いわき市の屋外と屋内の放射線量を測定してくれましたけれど2度とも(屋外=屋内)でした。

おそらくその原因は、窓を開けるとか、玄関から出入りをするなどがあるので、普通の家庭ではかなり「換気」が行き届いてしまうからと思います.なにしろ放射性物質は目に見えないほどの小さな粒ですから。

そこで、私はせいぜい2分の1ぐらいとしています.でも、「安全サイドで考える」という点では、2分の1もせずに、屋内も屋外と同じと思った方が良いでしょう。

事実、雨の後など屋外の汚染が洗われると、屋内の方が放射線が強くなる時もあります。このことは「洗うととれやすい」という放射性物質の特徴でもありますので、外出着を簡単にティッシュで拭くとか、汚れたと思うものを洗濯するのは良いでしょう。

間違っても10分の1にしてはいけないと思います。

もう一つ、気をつけなければならないことがあります。

今度の事故が起こる前までは、国は、「被曝する放射線量は、外部被爆と内部被曝を足した数値で言わなければいけない」と指導してきました。

ところがどうも現在、文部科学省が測定しているデータは、「外部被曝」だけのようなのです。もしそうであれば、現在のデータを逆に2倍にすることになります。

今回はとりあえず、「人間が屋外に24時間、いるはずがない」という報道に惑わされないようにということだけお話しします。


(平成23年4月6日 午後1時 武田邦彦執筆)

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