野獣死すべし
野獣死すべし」は、松田優作の映画も捨てがたいが、作品としては本家ニコラス・ブレイクに止めを刺すだろう。このタイトルは江戸川乱歩の手によるものだが、「THE BEAST MUST DIE」もともとの題である。これを「野獣死すべし」と訳したことは植草甚一の評を待つまでもなくすばらしいことだが、それをわからぬ人もいるだろう。そういう人は本を読むのに向いていないと自覚したほうがよい。同じように落語「ちはやぶる」のなかでの志ん生の演出、「何で豆腐屋やなんだい?」「しょうがねえじゃないか、本人がやりたいっていうんだから」の演出の卓抜さがわからぬものは、落語を聞いても仕方ないというのは言うまでもないことだろう。
ラベル: 小説
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