歌舞伎町一の美人

あの焼き鳥屋の焼き場で焼いていた娘。
どこのクラブに出ても、間違いなく、№１になった娘。
そのくせ、凛として、男にまったく媚を売らなかった娘。
一日に12，3本のマイルドセブン６ｍｇを吸っていた娘。
早くに離婚してしまった父と暮らし、母の料理を懐かしがっていた娘。

あの娘が、自分の国へ帰って行ってしまった。

愛しい人との最後の別れの日は辛く、美しい。

わたしには、もう、傍で叱ってくれる人もいなくなってしまった。

そんなわたしに、他の女に対して、怒りを撒き散らすなと言ってほしくない。

わたしは、本物だけを愛します。
偽者の女も男もイヤです。

わたしは、本物の人間のクズになりたいです。