2011年9月20日火曜日

これが空間の崩壊です

警戒区域への2巡目の一時帰宅が19日にあった川内村。92世帯227人が帰宅したが、荒れた田畑や自宅を目にした住民からは「避難が解除されても、すぐに生活できない」と落胆する声が漏れた。


 避難から半年以上放置され、警戒区域内の田畑は、雑草で覆い尽くされていた。


 川内村の一時帰宅の一巡目は5月に実施され、それ以来の立ち入りだったが、志田君子さん(60)は荒れ果てた自宅や畑を見て、「前回はここまでひどくなかった」と絶句した。


 農家の松崎安延さん(60)は妻の君子さん(59)と2人で、事故後初めて妻の実家の片づけに来た。家の周囲を見回し、「草だらけで田んぼに見えないな」。制限時間の4時間をめいっぱい使って草取りをした。「こんなに草を刈らないまま置いていたことはない。想像はしていたが、こんなになるのか」と驚いた。君子さんは「位牌(いはい)がかわいそうと思って」。位牌と、仮設住宅用のストーブを持ち帰った。


 大熊町で暮らしていた半谷好人さん(51)は、避難先の郡山市から震災後、初めて実家に足を踏み入れた。畳はほこりとネズミのフンだらけで、「足の踏み場もないくらいだった」。雨漏りはなかったが、床は一部抜けていたという。冬服や家族の写真、位牌などを持ち出した。


 半谷さんの実家は山から引いた沢の水を使っていたが、この日確認したところ、水は出なかった。「家の修繕もしないといけないし、水の汚染も心配だ」と話した。(木村俊介)

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム