2011年4月22日金曜日

もたもたしている場合ではないんだぞ、菅直人

君は、当事者足らんと欲しているか、
努力しているか、
君の腑抜けた顔には、部外者意識しか見えんのだよ。

避難所生活の長期化がもたらしたもの

   ■ 植田信策:石巻赤十字病院


  
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 ■from MRIC
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 震災から5週間が過ぎました。以前報告したときから避難所や医療を巡る状況は刻
々と変化してきました。その中で、市街地でありながら電気、水道など未だに復旧で
きていない地域があり、そこの風景はほとんど変わっていません。むしろ余震による
追い討ちで倒壊した建造物が増えたくらいです。沿岸部の地盤沈下により、満潮にな
ると水没する地域があり、水の中を移動している住民の姿はまるで被災直後のようで
す。

 このような状況で避難所生活は長期化することが確定的となっています。

 先週末、石巻赤十字病院のDVTエコー検診チームと宮城県作業療法士会、および宮
城県理学療法士会合同で避難所と周辺住民(1階は水没したが2階は辛うじて生活でき
る住宅に居住する被災者)約900名を対象に要介護度の調査を行ったところ、3%近い
被災者が介護を要することがわかりました。石巻市内の他の地域での小規模な調査で
も同様の数値が出ています。この中には、震災前後で自立から要介護に変わった方も
います。原因は身体を動かす意欲がない、床から起き上がるのが困難なため動かせな
くなった、怪我や体調不良を契機に筋力低下を来たした、ことなどのようです。

 現在石巻市の避難所は 142ヶ所、そこに約17,000名の避難者がいます。そのうちの
3%が要介護者であるとすると、その人数は約500名です。これだけの人数の介護をす
るとなると、介護ニーズがある避難者の集約や、施設の確保、介護スタッフの確保な
ど、多くの課題に介入していかねばならないと合同救護チームでは考えています。

 高齢者に対する健康被害を防ぐ手段として被災地外への一時移住などが提案され、
南三陸町ではすでに県内の栗原市に一部移住が始まっています。石巻市では避難所住
民に対し今月初めに意識調査(回答世帯数4,186、避難者数にして12,338人)を行い
ましたが、68%が移転に対し「興味がない」と回答しました。これ以降、域外移転に
対して石巻市が積極的に動いているという話は聞きません。移転することで生活の立
ち上げになんら不都合は生じないと説明することや、移転先と石巻市間の定期的な移
動手段を確保することなどで、被災者が安心できるよう工夫すればいいのにという思
いはありますが、市役所からこれに関する方針は示されていません。

 現時点で寝たきり高齢者の繰り返す誤嚥性肺炎が多数病院に運ばれています。今後
も避難所生活が長期化し、要介護者への適切な介入がなければ循環器疾患、呼吸器疾
患、脳血管障害、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症などの発症が増加することが予想さ
れます。


石巻赤十字病院
植田信策

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