2009年1月3日土曜日

時代は不可逆的に動いている

日比谷公園で寒さをしのいでいた人たちに政府が救いの手をのばした。
もちろん派遣村からの要請があったからだが。


「派遣切り」などで職と住まいを失った人たちのために東京・日比谷公園に開設された「年越し派遣村」で、来場者が想定の倍の300人を超え、用意したテントが足りなくなったことから、NPO法人などで作る実行委員会は2日、厚生労働省に宿泊施設の提供を要請。

 これを受け同省は同日夜、庁舎内の講堂(約820平方メートル)を開放した。期間は仕事始めとなる5日朝までで、約250人が移った。

 長野県のパソコン工場で働いていた先月中旬、突然派遣契約を打ち切られた釘崎正さん(41)は、住んでいた寮も追い出され、上京してコンビニなどで夜を過ごしてきたという。「寒さから逃れるために入った電器店のテレビで流れていたニュースでたまたま派遣村を知った。テント内も夜露をしのげたが、講堂内はとても暖かい。これからの職探しのために少しでも体を休ませたい」とほっとした様子で話した。

 一方、中央区も、廃校となった小学校の体育館など2施設を5日から1週間をめどに提供する予定。計160人受け入れられる。

(2009年1月3日00時10分 読売新聞)


いいニュースだった。
知らん振りを決め込むことも出来ただろうにそこまでひどい仕打ちをすることにこの国は慣れていない。(まあ、小者だといってもいいのだが)
だが、今後も派遣切りは進む。
それは、2009年が特別な年であるからだ、3年契約の最後の年だからという意味だ。
もちろん企業は再雇用契約はしない。

彼らの実質的は居場所はなくなる。

雇用創出を一段と急がなければなるまい。
医療介護にその役目をさせようとしているのが政府案だ。
ニューディール政策だそうだ。

まあいい。

しかし、問題はこれからの時代、人は必要なもの以外に買わなくなる。
いくらCMであおってもだ。
実際の経済に降りてきてしまったからには人に必要なものは、食と住だとみんな理解している。

だとすれば、一次産業での雇用創出を考えない手はない。
これには専門家の知識が必要だが、とにかく中心的な改革は一次産業だ。

これまで田舎から都会に出てきた青年たちを都会から田舎へ向けるのだ。
そこには大きな構想が必要となってくる。
それをわたしは官僚の優秀な頭脳に任してみたい。

予言しておくが、以前のように車や電化製品が売れるような時代は戻ってきはしない。
衣類もそこそこのもので十分だ。
必要以上の金をかけて飯を食うこともあるまい。
食は生きるためにあり、その食の中で贅沢も出来るものである。
うそだと思うのなら「土を喰らう」を読んでみるがいい。

いつまでもいつまでも大量の残飯を出している食は続かないし、値段の高さをつまりは贅沢を競って食することもなくなる。

時代は不可逆的に動き始めており、新しい産業構造を求めている。
そこには道州制の問題もからむかもしれない。

それに加えてこの国がこれだけの人口を養えるのだろうかという問題は残る。
幸いなことに日本の人口が減少し始めている。
農業漁業にも少しは目を向け始めている。

ウクライナでの穀物買い付けの惨憺たる失敗はともかく、まだ可能性はあるのではないだろうか。

そう思っていたいではないか。

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