2009年2月23日月曜日

かつて京都で偶然に生前の大西良慶師に出くわしたとき、そばにいた我が悪友は、

「お主もまだ若いのう」

と大西師にのたまい、ひと騒動おこしたが、その男ととある日に能でも見に行こうと出かけたとき、その男、能の最中に

「ちゃっちゃっと歩かんかい!」

と怒鳴り、さすがにこのときは能楽堂の外に連れ出された。

昨夜、例のごとく見るとはなしにテレビで白洲正子を偲ぶ番組を流していると、その最中に「能」とはその動きを男の力で閉じ込めあのような緩やかな動きとなすもので…、という白洲の解説を聞き、初めて能のありようの一端が知れ、はたとひざを叩いた。

なんにしても芸とは深いもので軽々にやじったりしてはいかんわなあ。
我が友よ。

もちろん彼との付き合いはいまだに続いている。

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