ほんとうの事
昨日載せた村上春樹氏の発言のなかで「ほんとうの事」という言葉が出てきますが、「ほんとうの事」の見極めはとても難しいでしょうし、そもそもそれが実際にあるかどうかも疑問です。
ただ、「そうあってほしい事」はあるでしょう。
その「そうあってほしい事」を書くのがハイ・ファンタジーだとすれば「獣の奏者」は近年の日本の誇る作品のように思います。
ハリー・ポッターはただ面白いだけのエブリデイ・マジックで、いわばジェットコースター。
読み終わったあとには、ああ面白かったという読後感しか残りません。
もちろんそういう読み物や映画があル事にも十分意義はあると思っていますが、その差異は押さえておきたいものです。
創作によって為される上手な嘘は、ほんとうのように見えます。
小説家はほんとうの事に新しい地位を与え、新たな光をあてるのです。
ほんとうの事はその元の状態のままで把握するのは殆ど不可能ですし、正確に描写する事も困難です。
ですので、私たち小説家はほんとうの事を隠れ家からおびき出して尻尾をとらえようとするのです。
ほんとうの事を創作の場所まで運び、創作のかたちへと置き換えるのです。
で、とりかかるためにまずは、私たちの中にあるほんとうの事がどこにあるのか明らかにする必要があります。
これが上手に嘘をつくための重要な条件です。
ただ、「そうあってほしい事」はあるでしょう。
その「そうあってほしい事」を書くのがハイ・ファンタジーだとすれば「獣の奏者」は近年の日本の誇る作品のように思います。
ハリー・ポッターはただ面白いだけのエブリデイ・マジックで、いわばジェットコースター。
読み終わったあとには、ああ面白かったという読後感しか残りません。
もちろんそういう読み物や映画があル事にも十分意義はあると思っていますが、その差異は押さえておきたいものです。
創作によって為される上手な嘘は、ほんとうのように見えます。
小説家はほんとうの事に新しい地位を与え、新たな光をあてるのです。
ほんとうの事はその元の状態のままで把握するのは殆ど不可能ですし、正確に描写する事も困難です。
ですので、私たち小説家はほんとうの事を隠れ家からおびき出して尻尾をとらえようとするのです。
ほんとうの事を創作の場所まで運び、創作のかたちへと置き換えるのです。
で、とりかかるためにまずは、私たちの中にあるほんとうの事がどこにあるのか明らかにする必要があります。
これが上手に嘘をつくための重要な条件です。
ラベル: 作品
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