廃墟に乞う
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体幹のぶれない小説であった。
主人公の目を通して描かれていく小説世界であるが、仙道の目線が定まっている。
舞台は北海道に限定された短編集だが、北海道を描くことにも成功しているのではないだろうか。
それは、仙道を警官でも探偵でもない立場に置いた作者のアイデアにも負われた成果だろう。
(探偵でもあり、警官でもあるとしてもいいだろう)
もともと安定感のある作家で、楽しませてもらってきただけにこの作品での直木賞は意外でもあった。
「エトロフ発緊急電」が大きすぎたのかもしれない。
ラベル: 小説
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