東電の情報隠し(田中龍作氏の記事)
あまりにお粗末な話なので、記事にすること自体憚られた。だが「出来レース」という他ない東京電力と記者クラブメディアの質疑応答の実態を記事という形で残しておかねばならないと思い筆をとった。
不自然なのは指名される記者の3分の一が甲新聞社ということだ。大新聞、テレビ局、雑誌など数十社と10人を超すフリーランスの記者が出席するなかで、甲社が指名される確率は異常に高い。
会見席に数多くの記者を送り込めば指名される確率は高くなるが、指名のされ方が不自然なのである。
17日の記者会見で筆者が勝俣恒久会長にぶつけた質問は、鈴木広報部長により途中で打ち切られたのだが、後を継いだのは甲社の記者だった。「自分の質問に積み残しがあった」という理由からだ。
その記者が「積み残し」と言って挙手すると鈴木広報部長は「はい、質問の積み残しですね」と呼応した。甲社と東電広報との間で打ち合わせが出来ているような印象だった。
さらに不自然なのが民放への対応だ。乙テレビの記者が「帰れるまで何年かかるのか?」と尋ねた。この日の記者会見でこの質問はすでに出ているのだ。
以前にも乙テレビ記者の質問に対して松本・立地本部長代理があまりにもスラスラ答えるので、筆者は「事前通告を受けているのか?」と尋ねたことがある。
乙テレビの記者が質問すると松本本部長代理はすぐにメモに目を落とすのである。メモを読む目は左から右に規則正しく往復していた。松本本部長代理は否定するのだが。
東京電力は事故の収束に向けた工程表を公表した。6~9か月で海や大気に撒き散らしている放射性物質を閉じ込めるとしている。
作業はひとつひとつ段階を踏んでいく。その都度、外部の厳しいチェックが必要だ。東電「事故隠し」「データ改ざん」の名手だからである。
だが記者会見のありようを見る限りチェックは期待できない。天下りを受け入れてもらっていることもあって政府も東電をコントロールできない。
案の上、東電が「工程表」の裏付け資料を政府に提出していなかったことが明らかになった。
東電、政府、記者クラブメディアによるズブズブの構図が続く限り、将来もっと大きな大事故が起きると筆者は見ている。放射能汚染も止まらないだろう。
不自然なのは指名される記者の3分の一が甲新聞社ということだ。大新聞、テレビ局、雑誌など数十社と10人を超すフリーランスの記者が出席するなかで、甲社が指名される確率は異常に高い。
会見席に数多くの記者を送り込めば指名される確率は高くなるが、指名のされ方が不自然なのである。
17日の記者会見で筆者が勝俣恒久会長にぶつけた質問は、鈴木広報部長により途中で打ち切られたのだが、後を継いだのは甲社の記者だった。「自分の質問に積み残しがあった」という理由からだ。
その記者が「積み残し」と言って挙手すると鈴木広報部長は「はい、質問の積み残しですね」と呼応した。甲社と東電広報との間で打ち合わせが出来ているような印象だった。
さらに不自然なのが民放への対応だ。乙テレビの記者が「帰れるまで何年かかるのか?」と尋ねた。この日の記者会見でこの質問はすでに出ているのだ。
以前にも乙テレビ記者の質問に対して松本・立地本部長代理があまりにもスラスラ答えるので、筆者は「事前通告を受けているのか?」と尋ねたことがある。
乙テレビの記者が質問すると松本本部長代理はすぐにメモに目を落とすのである。メモを読む目は左から右に規則正しく往復していた。松本本部長代理は否定するのだが。
東京電力は事故の収束に向けた工程表を公表した。6~9か月で海や大気に撒き散らしている放射性物質を閉じ込めるとしている。
作業はひとつひとつ段階を踏んでいく。その都度、外部の厳しいチェックが必要だ。東電「事故隠し」「データ改ざん」の名手だからである。
だが記者会見のありようを見る限りチェックは期待できない。天下りを受け入れてもらっていることもあって政府も東電をコントロールできない。
案の上、東電が「工程表」の裏付け資料を政府に提出していなかったことが明らかになった。
東電、政府、記者クラブメディアによるズブズブの構図が続く限り、将来もっと大きな大事故が起きると筆者は見ている。放射能汚染も止まらないだろう。
ラベル: 社会
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