2011年4月13日水曜日

原発事故はどのように変わっていくか?

さらに、武田先生のご意見です。



浅草で「空間の放射線」は0.1マイクロ(シーベルト)ぐらいなのに、地面は2マイクロと20倍も高い値がでて、不安に感じている人がおられます.




そこで、「原発が破壊すると、その影響はどのように進むか」について整理をします.進み方は単純なので、「ああ、そうか!(粒の飛び方が目に見えるようになる)」と判ると一つ一つのことが、やや予想しやすくなります。(項目13の表現が逆になっていて、ご心配をおかけしました。)




・・・・・・・・・




原発から激しく放射性物質がでると(水素爆発など)、風に乗って「小さな粒」が飛んでいきます.目には見えませんが、ちょうど「黄砂」のようなものと思ってください。



1.
まず、「粒」は空間を飛んできますので、空間の放射線が上がります。



2.
次に、その粒が地面に落ちます。雨で落ちることもあります。「雨に濡れない方が良い」というのは、原発から放射性物質がでている間(まだ少しでている)が大切です.



3.
次第に、空間の放射線の粒が減って、地面の粒が増えます、私が「余り高いところの放射線だけを測っていると、子供の被曝量を間違える」と書いていたのはこのことがあるからです。



4.
放射線の粒は、畑に降り、川に落ちるので、ホウレンソウなどの葉物野菜や水道に最初の汚染がでます。



5.
少し経つと、家の中の方が外より放射線が高いこともでてきます。つまり、黄砂の激しいときには窓を閉めると良いのですが、しばらくすると家の中に入り込んだ黄砂が床にたまっているというように考えてください。



6.
この時期(今)は、窓を閉めるより床や壁を拭くのが、放射線量を減らすのに有効です。



7.
次第に海や遠くの方に少しずつ放射性物質が拡散します(今回の場合は、海に直接、流れた放射性物質がありますが)。



8.
海に流れた放射性物質は、海流に流れ、おそらく千葉沖まで南下、そこで拡散すると考えられます.



9.
プランクトンが放射性物質を取り込み、それがすぐ小魚に移ります。特に、小魚の骨にたまるストロンチウムが問題ですので.汚染の可能性のある魚は、骨ごと食べないようにします。



10.
放射性物質は小魚から中型の魚、そして大型の魚に移りますが、大型の魚に移るまで6ヶ月かかるので、今年の秋には大型の魚で放射性物質が検出されるでしょう。



11.
土壌は、ジワジワとしみこんで徐々に深くなります.しかし、根菜類への移動は少ないと思います。



12.
汚染された場所から、もの、ゴミなどについて少しずつ他の場所に移動していきます.その点では、できるだけ少ないようにする必要があります。川崎に移動するゴミはできれば(申し訳ないけれど)福島の東海岸、原発の近くで処理したいものです。



13.
原発から危険な量の放射線の漏れが止まるのは、普通に考えると連休明けです。漏れるのが止まると放射性ヨウ素の危険性が下がるので、子供は安全になります(今回の原発事故の特徴です)。



14.
原発の放射線が下がり、作業がやりやすくなるのは、9月頃でしょう。



15.
それから原発に処置をして10年ぐらい、寝せておくことになります。半減期は30年ですが、防護服をきて少しずつ作業することができるので、少し短いと思います.




今のところ、原発が不意に爆発しなければ、このような順序で進みますので、警戒し、恐れず、生活とのバランスを考えていくのが良いと思います.




(平成23年4月12日 午前7時 執筆) 武田邦彦

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