2011年4月9日土曜日

なぜ、原発近くの野菜は買ってはいけないのか?

以下は、武田先生の引用です。


農業の人には悪いのですが、農業の人も「消費者に安心して食べてもらう食材」の生産に励んでおられたと思います.それが前提です.


・・・・・・


ホウレンソウが汚染されていたとします.普段なら「ホウレンソウだけが放射線で汚染されている」という事なので、「そのホウレンソウが基準値を超えていなければ食べて良い」のです。


しかし、現在のように空気(外部線量)、それを吸い込んでの内部被曝、野菜、魚、水、土壌など全てが汚れていると、ホウレンソウも他の被曝に足さなければなりません.


たとえば、次のようなことです。


【普通の時】 


空気      0


水        0


内部      0


ホウレンソウ 10


小松菜     0


大根      0


牛乳      0


こうなご    0



合計     10


となりますから、ホウレンソウは規制値以下なら大丈夫です.


ところが、「環境が汚染されているとき」(時期は1年ぐらい)は、状態が違います.


【汚染時】


空気      10



水        2



内部      10



ホウレンソウ  10


小松菜     3



大根      1



牛乳      5



こうなご    10



合計      51


となります。つまり一つ一つは「規制値内」でも「足し算」をしなければなりません。


少し前に「かけ算のできない東大教授」と書きましたが、先日の東電の魚汚染の発表は「足し算のできない東電」ということです。


むやみに怖がる必要はありませんが、ここ半年ぐらいは、「基準値以下でも、できるだけ被曝を避ける生活」が大切です.


個人の事情、体力などに合わせて、できる範囲で被曝を減らすこと、これが放射線防御の基本です.


(農業、漁業の方の考え方はまた別の機会にします)


(平成23年4月9日 午前9時 執筆)武田邦彦

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