2011年6月10日金曜日

カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロという作家を論じるとき、「細部まで抑制が利いた」「入念に構成された」という言葉をよく見聞きしますが、ともに重要な小説の要素で、とくに抑制を利かすということは、とても大切で、いい作家ほど読者の心を動かそうと焦ったり、急いだりしません。

「毒蛇は急がない」

といったところです。

最近眠れぬ夜に「桜と龍」「白と黒が出会うとき」などの娯楽本を読んでいたのですが、小説として売りに出されている本は、どんな本でも抑制が利いています。
ま、抑制の利かし方の問題ですけれどね。

それで、このことは、わたしたちの日常かわす会話でも同じことで、声高に何かを主張する人間の声が届かないのはそのためです。

思い出してみれば、これは、と思う人の声は、もの静かなものです。

小出裕章さんのように…
自戒をこめてですが。

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