2011年7月10日日曜日

メルトアウト

2011年7月8日、現代ビジネスの記事「メルトアウト「核燃料」地下水直撃の恐怖! メルトスルーを超える最悪の事態 東電はこの可能性を隠していないか! 」に、小出裕章さんの発言が掲載されています。

小出氏の発言が掲載されているのは現代ビジネスの記事「メルトアウト「核燃料」地下水直撃の恐怖! メルトスルーを超える最悪の事態 東電はこの可能性を隠していないか! 」2ページ目です。

以下、彼のコメントを含む部分の転載です

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 6月7日に公開した国際原子力機関(IAEA)への報告書で、政府は1~3号機で「溶融貫通」している可能性を認めた。これは、炉心溶融(メルトダウン)した核燃料が、原子炉圧力容器を突き抜け、さらに外側の格納容器にまで流れ落ちてしまう「メルトスルー」という状態だ。

 だが「福島第一はもっと絶望的な状況にある」と指摘するのは、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教である。

「溶けた核燃料であるウランの塊=溶融体が、格納容器の底をも破り、原子炉建屋地下のコンクリートを溶かして地面にめり込んでいるのではないかと考えています。核燃料の炉心部分は、2800℃を超えないと溶けません(現在の温度は高い放射線量のため測定不能)。溶融体の重量は100tにもなります。圧力容器や格納容器の鉄鋼は1500℃程度で溶けてしまいますから、溶融体は原子炉建屋地下の床に落ちているはずです。その一部は地下の床を浸食し、一部は汚染水に流され周囲の壁を溶かしているでしょう」

 これは核燃料が原子炉建屋の外部に直接漏れ出て、周囲に超高濃度の放射性物質を撒き散らす「メルトアウト」と呼ばれる最悪の状態だ。小出氏が続ける。

「もし溶融体が地下水を直撃していれば、いくら循環冷却しても放射性物質の拡散は防ぐことはできません。地下水の流れを止めない限り、周囲の海は汚染され続けるのです。汚染を防ぐためには、原子炉建屋の地下の四方に遮蔽壁を作るしかないでしょう。溶融体や汚染された土壌と、地下水の接触を断つのです」

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