2009年7月7日火曜日

七夕の陽

午前中は、陽の光が射しているが、夜には雲が空を覆うのだろうな。

船戸与一の満州国演義の5巻を読む。
なにやら、いまの時代を映しているような本だ。
敷島四兄弟の4つの視点を使ったその手法は、技術の問題でここには取り上げるまい。

それより何よりあのころの満州から世界戦争への道だ。
恐ろしいほど単純で、しかもその流れの中で渦巻く人間たちはそれぞれが十分に複雑である。
時代の流れが、それを怒涛のように流していく。

大阪のパチンコ屋の火事。
犯人はこのごろよくある妙な動機を語っている。
奈良の友人刺殺(?)の少年は何を思っていたのか。

個人の動機でありながら、社会が深く入り込んできているように見える。
それを社会だけで論じるのは片手落ちだが、個人だけに起因させるのはさらに無茶だ。

少なくともいまは、社会のありようを考えたほうがいい。

昔、日本には満州があり、そこに多くの不満を吸収させた。
いま、日本はこの社会に渦巻くわけのわからぬ、解消できぬ不満をどのように裁こうとしているのか。
集団性がないことが救いのこの犯罪は、さらに続いていくのだろう。

もはや、人を殺すのに、人に暴力を与えるのに理由は必要としなくなっている。
刑務所に入ればいいだけのことだからな。

恐ろしい時代に突入したことだけは、お互いに確認しておきたい。

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