2010年2月5日金曜日

長生きしようね

身体の介護、認知症の重さ、疾病の重さ、生活での困難さなどの問題を鑑みて介護度が出ます。
介護度に伴い、介護保険を利用するのですが、介護の重さを要支援1~2、要介護1~5の7段階に分けた指数を使います。
で、その個別の事例に対して保険から金が支給されるわけです。

介護度に応じ、ケアマネージャーが家族らと相談して、介護施設を決めます。
決められた介護施設では、それは訪問介護であったり、特別養護老人ホームであったり、デイサービスであったりするのですが、業者は老人達を受け取り世話をしてその対価として彼らの介護度に応じて国から金をもらうわけです。

介護業界はこの介護保険の奪い合いの現場です。
老人の人数が増加していくにつれこのシステム上では大きな金がプールされていくことになっていきます。
業界は、すくない労働力で多くの老人を預かろうとします。
商売だからね。

ここでは、長生きが商売になっている。
その結果、老人の扱いに対して種種の問題が生じている。

唐突だが、中村伸一が、京都との県境にある福井県名田庄村で行っている医療は違う。
病ではなく人を診ている。

その村のある末期ガン患者の言葉がある。
臨終間際に、介護を続けてきた妻に残した言葉がある。
「最期まで家にいられて幸せな人生やった。お前も中村先生にみとられて、村で死ねよ」 住民たちのささやかだが切実な想いに、中村は向き合い続けている。

介護とはそういうものであろう。

問題は、老人の数が多くなりすぎたこと。
個々の老人が酷薄な人間関係しか持ち得ないケースが多々あること。
ふるさとという物語を遠い昔に捨ててしまった都会に生息する老人の割合の多さ。

名田庄村は、この国の特異点である。

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