2010年5月22日土曜日

眠れぬままの朝

眠れぬまま迎えた朝、机の隅から出てきた昔のつたない恋愛詩を掲載します。
ぼんやりした頭のせいとしてください。

なつかしい若い自分の詩が出てきた。
甘ったるいが、、今でも自分の中に同じ気分を持つことに驚く。
情けなくも、ややなつかしい。




「縦断」


愛というものが元々事前に与えられたものでなく
目前に現れるたびに ああこれは愛ではない これは愛だとか
行方知らないわたしの力が産み落としていったものならば
己が技量と一蓮托生
お前への思いを託し
己が剣が峰まで連れ去り
置去りにしてしまえ

万年雪を傷つけることもなく そこにあるもの
透明な白になろうとする確かな意志
ありえぬ透明な白を願い 終には色づかぬもの
悲しみの恒常式
さまざまな変性を一身に受け 

地から吹き上げる溶けえぬ雪はお前の唇のその下
小さな傷へと導かれ オレの愛の対象

その傷に あのころ やんちゃな小娘が いまもやんちゃなままで息づいている
もてあますお前の肉体と到来せぬお前の心

ゆき過ぎぬお前の押し返す力
幻想の底に住むお前のわずかな力のくっきりとした意志
お前の肘の押し返す力とオレの幻想

ゆき過ぎぬ幻想
静かに陣取ったお前の肘がオレの肉体を押す

押し返し続けているお前の肉体
恋焦がれるお前の肉体とさらされるお前の心

何もない場所を目隠ししたまま
激情が一目散にお前へと流れ込む

オレのこの身体を引き裂き引き裂きし
縦断して流れるもの
痛みだけからなるお前の肘の感触

ここだ ここに違いない
ここだけがこんなにも熱い
ねじりこむみたいに熱い

お前との縦断の初めて

その後、その女は変性しわたしは待ち続けたが、通り過ぎた影は戻ってきませんでした。

若き日の思い出ですが、いまもまだその影を待っていることを知り、驚きました。

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