2010年8月3日火曜日

永世竜王への軌跡

早く帰ったものだから、パラパラとこういう本を読んでいるのだが、突き詰めるというのはこういうことかとしみじみ教えてくれる。
なにか自分がものを考えているなんて思っていることが恥ずかしくて恥ずかしくて、どうしようもなくなるのだよ。
だからといって、泣き崩れることを許してくれる女性もなし。
歳を取るとこういうときに困るね。(笑い)

将棋を知っていてよかったと思うのは、こういう本を読める幸せで、この本には将棋ファンなら誰でもあれかとわかる第21期竜王戦の第四局と第七局が掲載されていて、渡部明があの将棋のあの局面で何を考えていたのかを教えてくれる。
将棋というものが何と人間臭いゲームであることか、そして、その人間臭さが頭脳をきりきりと音のするまで軋ませて考え抜いた後に訪れることを知ると再びこの若き永世竜王に頭を下げたくなる。

わたしもまた考えるのならば、軋む音が聞こえるほど身体を張って考えたいものだ。
そのとき、羽生と渡部明が創り出したあの将棋に少しでも近い作品が生まれれば幸せなことだと思う。

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