2010年8月3日火曜日

範馬刃牙

創作のもっとも奥に潜む秘密を、いまのわたしはたった一つだけ知っている。
それは、四六時中その作品のことを考え続けることだ。
作品を思う心の強さと深さがその作品に反映される。
もちろん、作品を思えばいいものが書けるかどうかはわからない。
けれども、あなたが物を作る人だとすれば、その根本に自分の作るもののことを四六時中考え続けることを置くしかない。

それでもダメな場合は確かにある。
そのために気が狂いそうになることも確かにある。
けれどもその道を歩かなければあなたの願う作品に出会うことは出来ない。

わたしが、そう激しく思うのは、板垣恵介の「グラップラー刃牙」「バキ」「範馬刃牙」の作品群を読み進めるなかでだ。
板垣のしてきたことの奥底に眠るもの、それは彼がバキという物語の中に常に在住してきたという秘密だ。

だからこそ、彼の周りに起こるありとあらゆることが彼の物語に注ぎ込まれる結果となる。
そして、いまの「範馬刃牙」のシリーズに結晶化される。

作品に対する好みなどどうでもいいのだ。

わたしは、板垣がその生活のすべてを範馬刃牙とともに過ごしている事実に深く敬意を払うのだ。
それ故に、わたしは彼を畏友と呼びたい。

もっとも、彼はわたしのことをなんとも思っていない。
そういう喪失感もあるにはある…

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