土曜日には寄席に行く
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以前書いたように昼席のトリが、小三治なので満員覚悟で、開場12時のところ11時10分前には着いたのだが、それでもずらりと並んでいる。
暇だねえ、と思ったが、お前も一緒じゃないかとすぐに頭の中の誰かが言う。
もともと池袋の寄席は100人程度しか入らないから、こういう状態にはなる。
特に小三治の時には。
他の寄席でもそうだから、根強いフアンが彼にはついているというわけだ。
まあ、小三治の話は、寄席で聞くに限る。
なんともまあ、ほんわかとした気分になる。
たとえば、談志と比較してみれば、そこに粋がりがない。
「まあ、いいじゃないですか」
という空気が満ち満ちている。
それであって、話に興が乗ってくると見事な落語に変貌していく。
あれは、楽しい。
前回の「野ざらし」も楽しかったが、今回の「死神」も十分に満喫した。
客の入れ替えなしの、最後までと思ったが、さん喬師匠の話の終わった19時過ぎに寄席を後にした。
五街道雲助師匠には大変な不義理をした。(体力がないのだよ、体力が、もうぼろぼろ)
しかし、寄席もいい芸人が増えました。
小里ん、小さん(もうこの息子さんも還暦を過ぎたそうだ。「ちりとてちん」いい芸でございました。)、入船亭船橋(これくらいの人になると出てきてくれるだけでうれしい。「親はナスでも子は育つ」なんていう落ちは、語呂合わせのようなものだが、十分話しに広がりを持たせたところが、いいじゃないですか、蛍は黙って光っているところが立派だ、なんていうのはさすが俳句、川柳のお師匠さん、うならせられました)
それから、(知らない人はごめんね)権太楼が、すごいことになっている。
「短命」をやったのだが、枝雀を髣髴させるね。
いま、笑いたいなら権太楼を聞くのがいい、話もいろいろあるが、おかしいのは権太楼に尽きる。
もちろんそういう方向ではなく、粋な人はいるよ。
なんと行っても柳亭市馬、柳家さん喬、この二人の演ずる姿は美しい。
お聞きなさいな舞台で、たまりません。
そしてここまで、わたしが書いてきた縁者たちはすべて寄席に出ています。
ある日ふらりと出て行かれることを望みます。
わたしもずいぶん楽しみました。
ほかに紙切りの名人、林家正楽、マギー隆司(マギー一門の総領弟子)、曲独楽の三増紋之助、漫才のにゃん子、金魚…、あっ、白酒もいいねえ。
しみじみ思いますよ。
芸人さんは、一人でやる仕事だ、甘えごとは許されない。
自分で工夫して自分で演じる。
その結果も自分で受ける。
そうでなくちゃあね。
あんたにそんな覚悟があるのかい?
寄席を出たとき、わたしは小さく一人ごちました。
ラベル: 演芸
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