2009年3月7日土曜日

国策捜査

国策逮捕とは佐藤優氏によれば「『時代のけじめ』をつけるために必要」なものらしい。
過去にはロッキード事件(1976年)、リクルート事件(1988年)、ライブドア事件(2006年)がある。

「時代のけじめ」とはいうが、いうまでもなくこの「けじめ」は検察官僚がそう判断したものである。

一方に「麻生政権は民主党の小沢代表をターゲットにスキャンダルを暴露する以外に生き延びる術はない」という意見があり、今回の小沢一郎氏の問題の裏で自民党が暗躍していると見る向きもあるが、官僚が自民党におもねるというのは、にわかには信じがたい。
両者の方向が一致して何らかの協力をしたということは考えられるが、昨日の漆間巌官房副長官の自民党には捜査が及ばないという発言から推測するにどうやらそういうことはあったのかもしれない。

では、何が小沢潰しの方向を生み出したかといえば、後は想像に委ねるしかない。

もしかしたら「第七艦隊」発言が呼び水になったのかもしれない。
小沢氏の別の主張にあったのかもしれない。
はたまた、自民党に捜査が波及するようなことがあれば、別の理由があったのだろう。

とにかく、自民党の指示で検察官僚は動くまい。
だから、これは自民対民主の図式ではなく、官僚対「官僚の思惑に反するもの」ととらえるのがより正しいと思える。

政治家は少なくとも選挙というプロセスを通る。
官僚はなってしまえば、われわれの手出しの出来ないところにいる。

そういう官僚に「時代の流れ」を決定されるようなことがあれば、これは大きな問題だろう。
このことは大きく報道すべきだし、問題にすべきだ。

しかしご存知のようにマスコミには特徴があって、報道するニュースを選択でき、選択して報道するニュースの内容もまた取捨選択でき、不都合なこと(誰にとってか!?)は報道しないという嘆かわしい事実がある。

とにかく、今回の問題は、国策捜査であれば自民党がどうのこうのではなくて、官僚が国政に明らかな形で口を出したと見るのがいいとわたしは思っている。

ただし、今、気付いたのだが自民党の中に強く官僚と結びつく一群がいて、すでに一体化している可能性がないわけではない。
そういえば、小沢民主が政権を奪取すれば大きく官僚組織に手を入れる可能性があるからなあ。 

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