2009年11月9日月曜日

人が死ぬ

先週の金曜日の夕べ、久々に行った居酒屋の店長と雑談をしていたときに人の死ぬ話が出て、そいつはレビ・ストロースのことを言っているのか、円楽のことを言っているのかと問い返したのだが、彼の話はもっと身近で、彼の勤めている居酒屋の経営者の息子が死んだと言うのだ。

その息子はもうすぐ20歳になる青年で大学の近くに下宿していたのだが、連絡が取れなくなったので気になって行ってみると部屋には鍵が閉まっていて、それを大家に頼んで開けてもらうと死んでいたという、そんな話らしい。
事件性はないということだが、いまどき20歳前後の青年が突発死するのかいと、少し驚いた。

言うまでもなく、犯罪も見境なく起こっている。
人の死に関して無関心な世代が育ってきているのだろうと思う。
それはもちろん犯人の問題でもあるのだが、この社会にとっての死がどんどん軽んじられているということでもある。

この社会の上のほうで、もう老人を長生きさせるのは止めようではないかという話が起こっているというのもまんざら嘘ではない気がする。
もちろん老人の中に話している彼らは入っていない。

そういえば、昨夜、隣家の灯りは一晩中ついていたし、今も消えていない。
雨戸が締め切ってあるので灯りを消し忘れて出かけたのかもしれないが、ふといやな思いも起こる。

だからといって、通報しようともしないわたしがいる。
わたし自身も、死に引き寄せられているうちに、死に対してずいぶん無頓着になってきたのだろうか。
身をもって、唖然とする。

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