2010年1月6日水曜日

アバター

キャメロンの描く『アバター』が全面的に悪いとは言っていない。
そのことで少しつけ加えます。

わたしの感じるのはあまりにも刺激的に出来すぎていることです。
その象徴が3Dで、わたしはあまり感心しません。

映画のなかで描こうとした主張は、立派なものです。
何度となくいろいろな人が描こうとしたことをもっとも現在の映画的に描けていました。
そのことは貶すべきことではありません。

それにしてもあの派手さは、観客に対する過剰サービスではないだろうかというのがたった一つの疑問点です。

映画のなかで描かれる自然とその自然を無視した経済効果だけを念頭に動く人間の葛藤は、ほかの映画のなかでもあるし、ことあるごとに指摘されてきた話題です。
しかも、いまだ何も解決策を見出せず、内需拡大などと寝言を言っている現状です。

壊すべき自然も、夢であった満州もわたしたちにはありません。
そのなかで人がどう生きていくかは、想像以上に厄介な話です。

その厄介さを『アバター』は描いており、映画という切り取られた世界でのカタルシスを与えてくれます。

作り上げたことを褒め上げ、その映画を見る観客の質の低下を意図していることに悲しみを覚えました。

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