2010年8月5日木曜日

酔っていようが、酔っていまいが

かつてわたしには毎晩のように酒を酌み交わし、お互いの考えを深め合った友人がいた。
もちろんいまも友人だし、つき合いもあるが、彼は遠く長野県安曇野に本社がある某会社の代表取締役に納まっており、首都圏の支社に来る時にたまに会うだけとなった。

けれどもひとたび会えば、時は瞬きする間を待たずに飛び越える。
あの頃、語り合った感触はわたしの身に深く根付いている。
彼は懐かしそうにわたしを見るが、その目は遠くあの時のわたしを見る目だ。

彼と毎晩のように飲み明かしながら、深く複雑に組み合わされている問題を議論した時、二人の間に

「お前、酔っているんじゃないか」

という言葉は一度も飛び交わなかった。
わたしたちはお互いのすべてを愛し、信じ、つき合っていたから、酒を理由にはしなかった。
酔っていようが酔っていまいが、間違いは間違いであり、酒を飲んでいたから間違えたなどという姑息な理由はお互いに憎んだ。

今でもわたしはそういう態度を突き通す。
酒を飲んでダメな奴は飲まなくてもダメな奴だと思っている。
酒を飲んでもいい奴はいい奴だし、問題にすべきは、どういう状態であっても発言されたその内容にある。

「酒を飲んでるんでしょ?」

バカなことを言っちゃいけない。
飲んでいようと飲んでいまいとオレが言ったことは、オレが言ったこととして対処しろ。
それが出来なければ、俺はおまえと別れる。

それが、わたしの心意気だ。

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