クリスマス…か
この季節になると数年前、新宿しょんべん横丁で飲んでいたときのことを思い出す。
その初老の男は酔っていた。
わたしの隣に座るとすぐに酒を注文して飲み始めるが、しきりにひとりごつ。
小さな声だが何度も何度もくりかえし手酌し、ぶつぶつ言っているものだからそのうち何を言っているのか理解できた。
その日はクリスマス間近、新宿の街はクリスマスソングの喧騒に覆われていた。
そのひとはこう言っていたのだ。
「クリスマス…、ろくなもんじゃねえ」
くりかえし、くりかえし。
わたしはそのときその人の人生を思いやってみたが、ありきたりの物語しか浮かびはしなかった。
そしてときは重なり今年、あの街の喧騒と出合うとき、わたしも同じような言葉をつぶやいてみたくなる。
「クリスマス…、ろくなもんじゃねえ」
その初老の男は酔っていた。
わたしの隣に座るとすぐに酒を注文して飲み始めるが、しきりにひとりごつ。
小さな声だが何度も何度もくりかえし手酌し、ぶつぶつ言っているものだからそのうち何を言っているのか理解できた。
その日はクリスマス間近、新宿の街はクリスマスソングの喧騒に覆われていた。
そのひとはこう言っていたのだ。
「クリスマス…、ろくなもんじゃねえ」
くりかえし、くりかえし。
わたしはそのときその人の人生を思いやってみたが、ありきたりの物語しか浮かびはしなかった。
そしてときは重なり今年、あの街の喧騒と出合うとき、わたしも同じような言葉をつぶやいてみたくなる。
「クリスマス…、ろくなもんじゃねえ」
ラベル: 日常
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