2009年2月25日水曜日

確定申告の時期

この時期になれば否応なく今年一年の自分の稼ぎが知らされる。
しみじみと眺めてみれば、これでは生きてはいけまいと思い知らされる。

国家がいかに人間の想像の産物であれ、われわれの生きている世界が国家と市場だけではなく人々の住む社会や生活のなかで成り立っていると主張したところで、そういう考えが人を助けてくれることはない。(いかに正鵠を射ていようとも)

下世話な言い方をすれば生活する金がなくなれば、人は死なざるをえない。
そういう死に方で何人の人が亡くなったのかは、あまり大きく取り上げられはしない。
自殺者のなかにその人々が含まれているだろうが、それ以外にもいるだろう。
そういう生活苦の人々を助けるセイフティネットは、実はこの国にはない。
もともとその代わりに終身雇用という制度があった。

今はそれも崩れた。

人は生活する金がなくなれば死んでいく。
それがわれわれの作り出した資本主義の制度だ。

人口の問題もあろう。
制度の臨界点の問題もあろう。

しかし、それとは無関係に、人は食い物が得られなければ死んでいく。

明日はわが身とはよく言ったもので、わたしも今年一年くらいかなと、確定申告の書類を作成しながら思っている。

このところ冷たい外に冷たい雨がぽつぽつと途切れることなく降っている。
体を温める術のない人間にとって、それは酷薄に映るだろう。

同じ眺めを情緒をもって見る人もいれば生き死にを思いながら見る人もいる。

春はもう少し先になりそうだ。

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