2009年11月12日木曜日

人が生きていくこと

(CNN) 自殺したサッカーのドイツ代表ゴールキーパー、ロベルト・エンケさん(32)の妻テレザさんが11日、これまで公にしてこなかったが、エンケさんが過去6年間「うつ」で治療を受けていたと明らかにした。
ドイツ1部リーグのハノーバーに所属するエンケさんは10日、ハノーバー市内の踏切で列車にはねられ、亡くなった。
遺書が見つかり、警察は自殺と断定。
エンケさんの死を受け、ドイツサッカー協会は14日に予定していた南米チリとの親善試合を中止した。


いろいろな理由が重なったことだろうが、ご冥福を祈る。
人が生きていくためには、わずかであってもぬくもりがほしい。
そのあるかないかのぬくもりに頼ることで人は生きていける。

けれどもそのぬくもりがなかったり、ぬくもりの存在を実感できなければ、人はいともたやすく死んでしまう。
人はそんなに頑丈には生きていないのだ。

その頑丈でない人が生きていくためにわれわれはいろいろと細工をしてきていた。
その細工をなんだがつまらないように思いはじめて、このところ人はずっとその細工を壊し続けている。

家族の崩壊とは言うが、そう簡単に家族は崩壊しない。
コツコツとした長い努力の作業で人は自分自身で家族を崩壊させたのだ。
その崩壊の旗頭が発展であったり、進歩であったり、栄光であったりしたかもしれないが、人が生きていくための最後のよりどころはそんなに大げさなものではない。

残念ながら、エンリケにはそれが見えなくなってしまっていた。
そのことは同時に彼の妻の不幸でもあった。

哀しいな、どちらも。

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