2009年12月23日水曜日

特養42万人の入居待機者

いまは老人ホームとは言わない(差別用語になっているかな)。
特別養護老人ホームと呼ぶ。
そこに入れないで自宅で待っている人たちの数が42万人ということだ。
これはどう考えても多いだろう。

都会は人間の作り出したもので、そこには人間以外は住めないのが原則。
したがって舗装をめぐらし、地面と出会うことはまずない。
出会ったとしてもしっかりと管理された庭であったり、○×農園だったりする。
自然に近い地面には管理しきれない人間以外のものが住むと恐れるからだ。
管理する側はいつも怖がっている。

というわけで、老人や病人や障害者たちも都会には住めないことに徐々になりつつあって、それははっきりとは言えないので、あまり表に出ないことでお茶を濁している。

その象徴が、この42万人の待機で、彼らは特養に押し込められに行くのである。
老人がこう多くなってはどうしようもないのだが、さりとて殺すわけにもいかないので、ほんとうにわかっている人は、老人問題は解決策がないと思い始めている。

それは、野垂れ死にできなくなったことと大きく関係しているが、長生きすればいいと思っているうちは何も見えてこない。

やねだん(鹿児島県鹿屋市串良町の柳谷集落の通称)の村おこしを今宵のテレビは扱っていたが、あれが今ある最も快適な老い方の一つだと思う。

都会が人工物でそこには取り決めがあり、どうやら生老病死は隔離されるらしい。
これは誰かが決めたことではなく、わたしたちが決めたことだ。

残念ながらこの「わたしたち」のなかには野垂れ死にも許されない「わたし」も入っている。

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