非正規レジスタンス
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同列には論じられないだろうが、昔あった大衆小説がそうだった。
大衆小説は寝転んでうつらうつら聞いていても大体ついていける。
注意を散漫に払っているだけでずっと読み続けられる。
読者にやさしい文体だ。
その結果、何も得ないかというとそうでもない。
知らず知らず大衆小説の寄って立つ価値観は伝わる。
この石田衣良のシリーズは、さらに価値観がはっきりとしていて、声高にならないところがいい。
まあ、実際は声高になっているが、ぞんざいなマコトのセリフの中に声高さを押し隠している。
それにしてもだ、標題の「非正規レジスタンス」はぼんやり生きていれば見えてこない。
この作家、思っているよりずっと取材をしている。
というよりは、銭を取れる小説というのはしっかりと取材しているものだ。
その取材が小説のなかにうまい具合に内包されているのが妙というものだろう。
けどねえ、繰り返すが、「非正規レジスタンス」を読むと大変なことになっているのがわかる。
一生懸命生きている貧困者の存在は、それは、社会が産み出したものだろう。
その状況に対して、だれが、声を上げるのだ。
そういうことが気になっている。
加勢しますぜ。
だんな。
ラベル: 小説
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