2009年12月2日水曜日

思考の行き着く先

実践的思考の行き着く先は、その実践者が真摯に対象に向かっている場合、共通性が生じる。

それは味覚において(本来味覚は個人的な嗜好でばらけてしまいそうなものだが)優れた趣味人の舌に一致が見られるがごとくだ。

こんなことを聞いた。

格闘技者にとって、
「筋肉は嘘をつかない」
また
「筋力トレーニングは(筋肉と言ってもよいだろう)嫉妬深く、ただひたすら筋トレをやるに限る」

将棋の森下卓に「駒得は嘘をつかない」というのがあって、かれは相手の駒を取るごとに勝利の感じが近づくらしい。

麻薬には次のような言葉もある。
「アヘンは麻薬の王者と言ってもよいのだが、きわめて嫉妬深い。
 酒などを飲んでアヘンをやるとその心地よさは減退する。
 やはりアヘンはアヘンだけを純粋に楽しむのに限る」

似ていると言えば似ている。

ただ面白いのはアヘンは別として将棋も格闘技も「駒得」や「筋肉」が絶対的な正解になるとはかぎらないことをどちらの発言者も知っているということだ。

絶対的な正解ではないが、かなり信用するに足る方針だというところが、まことにスマートに表現されているではないか。

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