2009年12月1日火曜日

神去なあなあ日常

人が我が物顔に生き出したのはそう前のことではない。
ちょっと前は自然のなかにわが身を置かしてもらっている感覚で生きていた。

その関係だからこそ築かれていく感覚というものもあった。

いまどきそんなことを小説にしようとする人がいたのかと驚く。
しかも主人公は生粋のいまどきの若者だ。

林業も農業もちょいとした感覚で入っていける場所ではなく、あの昔の自然との関係を改めて現代に持ち込む試みだ。
そういうわけだから現代感覚を維持しようとしていると無理がたたるという結果になる。

この小説の主人公は何とかそれをやってのけることになる。
主人公が立派だったからではない。
いい加減だったからだ。

すべからくこの世はいい加減に生きるに限る。
所々に真剣さが出ればいい。

そういう世界観がこの小説には横たわっている。

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