2009年11月29日日曜日

時をかける少女

原田知世版と書こうか、それとも大林宣彦「尾道三部作」の一つと書こうか。
1983年というからずいぶんに古い映画だ。

よく見てみるとこれといった事件が起きるでもなく(いまの映画が起きすぎるのだろうな)生活は慎ましやかに過ぎていく。
そのなかでちょっとしたアクシデントがあり、主人公の 芳山和子はわずかに時を移動する。
だからといって何事があるわけではない。
にしても芳山和子にとっては大事件だった。
だから、彼女は時を移動し元の世界に戻ろうとする。

それだけの話だ。
それがいまだに眺めていていやな気分にならないのは、絵コンテがしっかりしていることと舞台に選んだ尾道の魅力そして、人々がまだ穏やかに生きている姿を観るからだろう。

いまどきの映画があまりにも刺激的になっているのは、それなりの理由があるのだが、それにしても作り手の思惑に乗って、観客まで刺激的なものを求め、果ては刺激的でなければ楽しくないと思い込んでしまうのはどうしたことだろう。

どこかの山陰にしっとりとした暮らし向きをする人々にとっては、こんなささやかな時間旅行も大事件となっていたのだ。

そういえば来年には「時をかける少女」のアニメ版ができる。
どうなっているのだろうな、あの慎ましやかな人々は。

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