2009年11月29日日曜日

ドバイショック

ドバイ政府は二十五日、人工島や世界一高いビルなどの大型開発で知られる政府系投資持ち株会社ドバイ・ワールドと傘下の会社が抱える、総額五百九十億ドル(約五兆円)の債務の返済延期を投資家に求めると唐突に発表した。
米格付け会社は「これは債務不履行に当たる可能性がある」と指摘。
慌てたのは新たな損失を抱える恐れが生じた世界の金融機関で、このことでもわかるようにドバイ・ショックは借金で派手な開発を続けたドバイの成長手法の破綻を明らかにした。

ドバイは砂漠に咲いた夢の花で、その花は外資の直接投資の自由や外国人労働者の雇用の自由を完全に保障する経済特区の設置から始まる。
その結果、外国企業や資本の進出を多大に促進した。

いまとなれば、見事なあだ花だったとわかる。

あの当時日本、EU、アメリカなど世界各国の大企業がドバイに進出してきて、市内や一大リゾートエリアとして開発したジュメイラ・ビーチ周辺には超高層ビルや高級ホテル、別荘などが立ち並んだ。
さらに、多くのショッピングモールやテーマパークが建設されていた。

これらが、2007年後半に起きたアメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界経済の低迷により、外国企業からの投資引き上げや地元企業の資金繰り悪化と、それに伴う多数の建築工事や計画中断となった。

そして投資した金は戻らなくなってきたのだった。

だからといって金が死んだわけではない。
今でも金は生き物のようにその投資先を求め世界を駆け巡っている。
その現象のひとつが今回の円高のバックにある。
それに加味して、米国が輸出に経済維持の光を見出すためにドル安を願っている事実と。

世界はすでに消費に興味を失っている。
商品に使用価値や交換価値は薄れ、見栄だけで買うような商品ばかりを作り出そうとする。
これを象徴価値というらしいが、エコカーやエコ商品に流れるようにしているのもその人の地球温暖化を考えている思慮深い人間としての象徴の演出というわけだ。

その商品を持つことによって他と違う何者かに見えるような商品、そういう商品だけが売れるのではないかと思い出しているのがこの社会だ。

けれどもそれで本当に消費への興味は復活するのだろうか。

この円高の行方は見えにくい。
一か八かのFX参入には十分にお気をつけられたい。

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