2010年2月8日月曜日

悪党

「処刑の方程式」や「ミレニアム」を読んでしまった後では、どうしても小粒に見えてしまう。
それも致し方ないことで、人は比較の中で物事を見てしまうクセがあるものだから。

けれども、この本にもまた、犯罪被害者は何をもって罪を赦すことができるのかという問題があり、読んでいて退屈なわけではない。(いや、少し退屈か?)

この小説のしょぼさは、話を小さくまとめてしまう意思とその問題をあえて解決しようとする意思があるからかもしれない。

そういえば先の「処刑の方程式」や「ミレニアム」は大胆に事実を投げ出して見せただけだった。
事実の投げ出しこそが、問題そのものであり、それを弄くり返すところに何もないのかもしれない。

そういうことをこの「悪党」は教えてくれているのか。

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム