2010年3月21日日曜日

ネコと女は…

「ネコと女は呼ぶと逃げるが、呼ばないときにやってくる」

と書いたのは「カルメン」で有名なプロス・メリメだが、妙に信憑性のある雰囲気をもった文句で、たぶんに当たっている。
いままでのわたしの実人生ではそういうことになっている。

大きく当たっているのはネコの方で、女の方の確率はぐっと下がる。
本格的にネコの心を内に秘めたコケティッシュな女はそうそういるわけもないのだから先のメリメの文句は、男たちがあるときときめいた女のイメージを言い当てたものだろう。

その証拠にいまどきの娘ときたら呼んだら来るし、呼ばないときもやってくる。

けれどもそれをうれしく思うかと問われれば、言下に「 No! 」と答える。
それはそうだろう、その事実はわたしがもてていることを示しているわけではないからね。
それだけ安心なおじいさんになったというわけだ。

「ネコと女は呼べば逃げるが、呼ばないときにやってくる」
そう思っていた時期もあったし、そうであった時期もあった。

いまはさしずめ縁側でお茶をすすって日向ぼっこというところか。

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