精神錯乱者の彷徨
大変なことになってしまった。
社長のTさんが、わたしのことを「アルLコール中毒者」で、かつ「精神錯乱者」だというものだから、ここの事務所のすべての若いスタッフは戦々恐々になってしまった。
多くの者はわたしと目が合う前にうつむくし、わたしが通るとき、十分な通り幅があるのに極端にイスを引く。
一端、目が合った者は顔を引き攣らせて、必死に笑おうとする。
わたしが、腕時計を直すためにラジオペンチを工具箱から取って来ると、それを見たスタッフの一人が凍り付いてしまった。
よせばいいのに、わたしはラジオペンチの先を見つめたままになっている相手の首筋にそっと押し付けてやると、普段はおとなしい総務の女性が、「ギャアー」と叫ぶなり、飛んで行ってしまった。
それを見て、わたしがその場でゲラゲラ笑いこけたもんだから、みんなは目がテンになったまま、さらに頭を低くして押し黙っている。
味をしめたわたしは、今度は、カッターナイフを持ってうろつきまわってやると、カッターの刃をを見つめたまま若いスタッフたちは小さく震えている。
また、わたしが笑い出すと、さすがに今度はみんながいっせいにイスから立って入り口へと走り出した。
そういうわけで、一人きりになったわたしは、これをみなさんに書き送っているのだが、書いている間中、わたしの高笑いがこの空間に響き渡り、ドアを少し開けてわたしをチェックしに来るスッタフは、激しく靴音を鳴らして階段を駆け下りていく。
そう言えば、この会社に入ってから、わたしは何度か怒鳴ったし、大声で歌ったりもした。
わたしが普段、大声で話す複雑な内容も、こりゃ異常者だと思っていたのだろう。
そこへ来ての社長の言葉――
「この人は、アルコール中毒で、精神錯乱状態だから…」
そりゃあ、信じるわな。
こりゃ、当分一人っきりだな。
深々とイスに腰掛けて眠ろうとするが、自分の高笑いがうるさくて眠れない。
こういうのを精神錯乱状態というんだろうな、多分。
いやはや。
社長のTさんが、わたしのことを「アルLコール中毒者」で、かつ「精神錯乱者」だというものだから、ここの事務所のすべての若いスタッフは戦々恐々になってしまった。
多くの者はわたしと目が合う前にうつむくし、わたしが通るとき、十分な通り幅があるのに極端にイスを引く。
一端、目が合った者は顔を引き攣らせて、必死に笑おうとする。
わたしが、腕時計を直すためにラジオペンチを工具箱から取って来ると、それを見たスタッフの一人が凍り付いてしまった。
よせばいいのに、わたしはラジオペンチの先を見つめたままになっている相手の首筋にそっと押し付けてやると、普段はおとなしい総務の女性が、「ギャアー」と叫ぶなり、飛んで行ってしまった。
それを見て、わたしがその場でゲラゲラ笑いこけたもんだから、みんなは目がテンになったまま、さらに頭を低くして押し黙っている。
味をしめたわたしは、今度は、カッターナイフを持ってうろつきまわってやると、カッターの刃をを見つめたまま若いスタッフたちは小さく震えている。
また、わたしが笑い出すと、さすがに今度はみんながいっせいにイスから立って入り口へと走り出した。
そういうわけで、一人きりになったわたしは、これをみなさんに書き送っているのだが、書いている間中、わたしの高笑いがこの空間に響き渡り、ドアを少し開けてわたしをチェックしに来るスッタフは、激しく靴音を鳴らして階段を駆け下りていく。
そう言えば、この会社に入ってから、わたしは何度か怒鳴ったし、大声で歌ったりもした。
わたしが普段、大声で話す複雑な内容も、こりゃ異常者だと思っていたのだろう。
そこへ来ての社長の言葉――
「この人は、アルコール中毒で、精神錯乱状態だから…」
そりゃあ、信じるわな。
こりゃ、当分一人っきりだな。
深々とイスに腰掛けて眠ろうとするが、自分の高笑いがうるさくて眠れない。
こういうのを精神錯乱状態というんだろうな、多分。
いやはや。
ラベル: 日常
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