2007年8月3日金曜日

分子料理法

ブルータス5・15号でも取り上げられた世界料理教室での分子料理法なるものが気になっていた。

分子料理法では、あらゆる料理は物理化学の"式"で表せるそうである。
それはそうかもしれない。

この事実を発見したコレージュ・ド・フランス教授エルヴェ・ティスはその4要素と4つの状態を置き換えている。
料理を「想像力あふれる知的ゲーム」と考えるわけである。
ほんとうかね。

食材の状態
G・・・気体
W・・・液体
O・・・油脂
S・・・個体
分子活動の状態
/・・・分散
+・・・併存
⊃・・・包含
σ・・・重層

料理はこれで表せる。
表せるかもしれないが、それですべてなのだろうか?
つまり、落としてしまった要素の中に真に重要なものはないか、という問である。
認識論的障害はないだろうか、という不安である。

教授自身はシェフではないので、フェラン・アドリアや現在のパートナー、ピエール・ガニェールが彼の理論をコラボレーションによって具現化し、定番を異化している、となるのだが、異化とは恐れ入るではないか?

彼らの云うように人類は「地球上の食材を食べ尽くし、手持ちのカードがなくなっ」てしまったのかも知れない。
食材だけに注目すればという条件では。
食材以外に料理の条件はないのだろうか?

ダニエル・ガルシアの手法もエルヴェ・ティスの理論も、あるいはフェラン・アドリアの「エル・ブリ」も何か刺激的な部分を持っていて、クリエイティヴィティの何かに訴えてくる。
それが、彼らを否定する方向にあるかもしれないということだ。
全面的ではないにしろ。

覚書程度のこの文章は、疑問のみで占められており、
腰の据わっていないものであることを最後にお詫びします。

陳謝

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