2007年10月2日火曜日

アサギマダラあるいはオオカバマダラのこと




上の写真はオオカバマダラだ。
そのことで思い出すことを書いてみます。

むかし、高井戸「ちゃんぷる亭」で飲んでいたとき峰井さんに出会った。
峰井さんは気象庁の人だが、チョウ追い人として名高い。
なに、すべてはわたしの中での話だ。

峰井さんは気象庁の人で、いまは小笠原にいる。

わたしにアサギマダラを教えたのは峰井さんだった。
峰井さんがチョウの人と知ったとき、わたしは長年よく理解できないチョウの話を聞いた。
「峰井さん、―― 
 そのチョウは木に鈴なりになってとまるらしいんですよ。何頭も何頭も重なりながら…、それでね、ひど い場合はその枝が折れてしまうらしいんですよ、チョウの重さでですよ、そんな話、あるんでしょうか。

「それはオオカバマダラです。
 
峰井さんはそれから北米の渡りチョウ、オオカバマダラについてひとしきり話してくれた。
チョウ追い人特有の熱のこもった話は酒場にしばしばチョウを舞わせていたかもしれない。

オオカバマダラの話が終わった後、峰井さんは内緒話をするように続けた。
それでね、その渡りチョウ、アジアにも一頭だけいるんですよ。
そいつが日本でも見れてね……

それがアサギマダラだった。

峰井さんの話だと、アサギマダラも休息のときは一本の木に幾重にも幾重にもとまるそうだ。

「チョウの木」

峰井さんが教えたのかそのときわたしが思ったのか忘れた。
その言葉と一緒にわたしのなかにその映像がある。

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