2008年1月15日火曜日

1月3日 父母亡きこの屋に一人いませば…

夜一人で酒なんぞを飲んでいると俳句や歌をひねり出そうとしてしまうではないですか。
けして達者なものではないのですが、いくつかを載せさせてください。



忘却の 河より帰る 父といて 静かにつもる 今朝の初雪

汝がそばに 落ちてなお咲く 寒牡丹

迷い道 たれ教えずも 富士の裾

凧高し 風なき朝に 粥と妻

亡き人も しばし佇む 冬の夜

風よりも たしかなものが 我といて か細き声と 触れる指先

声なくも 涙ゆきすぐ 汝が瞳 連れ添う祖国 棄つれ我がため

かなたより かなたに吹ける 風ありて 故郷の空は 碧き速度よ

風呂焚きて 一夜の酒に 備えけり

海老ドリア 作りし女 我にいて 国立の朝を 男と過ぎゆく

あばら家に 我も入りたり 冬柩

迎えおる ひとなし送る ひともなし 哀しい静寂 冬の陽はある

冬の蝿 母と思たり 父と思たり

ひとたびは 母と添い寝に 逝きにけり

寒き風 震える我と あばら家の 間流るる 不可逆の時

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