2008年2月1日金曜日

テレポリティックス

「テレポリティックス」という言葉がある。
テレビを利用した政治、少し違うが広報戦略、さらに違うが、メディア戦術の並びにある言葉だ。

この言葉をここで出した意図は、多くの場合、われわれが知らされる事実はすでに操作されていることを知っておこうという意味からです。

テレビが、嘘を言っているということではないですよ。
ある事実群の中から何を選び取るかで、その事実、現象は大きく違って見えてくるという話です。
たとえば、9・11のようにね。

昨日書いた中国食品による食中毒の話だけど、あれはあれでひどい話です。

みなさんは、少し前、「ナントカ還元水」で話題になり、自殺に追いやられた松岡利勝農水大臣をご存知でしょう。
しかし、2001年小泉内閣発足時にあった「GATTウルグアイラウンド」でとった彼の行動は、あまり知らないのではないのだろうか。
あの時、小泉に対する抵抗勢力の代表格としてあったのが、あの松岡利勝だった。
松岡は、農産物の貿易自由化に断固反対した。
しかし、あの小泉という男は一切を妥協しないという方向性をもっている。
次々と反対勢力を沈黙させ、農産物自由化を達成していった。
中国農産物の自由化を許した九州では農家は次々と廃業していった。
国家的には、第一産業全体が、退潮していく流れとなっていく。
もちろん松岡氏の地元熊本も例外ではない。
安い中国産農産物に押されに押され、熊本特産のい草農家が全滅した地域もあったと聞く。

そのとき、テレビを代表とするマスコミでは誰も騒がなかったでしょう。
もちろん、心ある人は騒いでいたさ。
しかし、どこにもその存在はないと喝破した大衆のみなさんや国民のみなさんは、この農産物の貿易自由化になんら興味を持たなかったでしょう。

問題は、腹が痛くなるようなものを食わせるなだけでは終わりはしない。
もちろん、わたしもよくはわかっていない。
しかし、これだけで終わらないことは知っている。

農作物が戦略物資だということは知っておられるでしょうか。
バイオエタノール産出のため、どれだけの大豆やトウモロコシが使われるのか。
それは、単純にエネルギー対策だけではなく、国際戦略として立ち現われてくる。
北朝鮮だけが国際問題ではない。
食糧問題は、とりようによってはそれ以上に危険度の高い国際問題だ。

もっと、広く見て、お互いに情報を交換し、生きていけるなら何とか共に生きていこうではないですか。

がらにもないが、本当にそういうことを思うよ。
2001年の「GATTウルグアイラウンド」からの政治判断の誤りは問題にされないのか。
2001年以前の日本の農業対策はどうだったのか。
そういう今までやってきたことたちの生み出したひとつの象徴が、今回の中国冷凍食品の問題だ。
もちろん、そこには中国経済の問題も潜んでいるだろう。

目を凝らしていれば誰かが語り始めるはずだ。
この食中毒問題の本質を。
そういうことに目を向けていたい。

テレビ報道さえいじくっていれば、あいつらは何とかなる。
そうほくそえんでいる奴らがこの国にはいるのだ。
そして、彼らは自分のこと意外には興味はないのだ。
この国のことに目が行かないから、この国はあらぬ方向へ驀進していく。

この国で生きていくのは、かように大変なことなのだ。
(何回目になるのかな、この文句は)

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