2008年12月3日水曜日

飲み屋の会話

新宿の飲み屋で一人で飲んでいると、浅草弾左衛門と車善七をごちゃ混ぜにして語っている御仁がいた。
ご存知のように浅草弾左衛門は穢多頭であり、車善七は非人頭である。

この穢多と非人も違う身分制度でこのあたりを語ることはなかなかにややこしい。
詳しくは塩見鮮一郎の本をひもとけばよかろう。

で、ここで語ろうとしているのは飲み屋の会話は往々にしてそのようなもので、十分に練られたものではない。
それは致し方ないことだとは思うが、ときどき「話さなくてもいいことを話しておるワイ」と嫌気がさす。
それがわたしの悪い癖だ。

語るということには十分な前準備が必要で、それをしていないのならば、お互いを確認しあう日常会話に徹していたほうがよいと思う。
しかし、そうはならずに話は進行していき、何の足しにもならないちょっとした聞きかじりの話が混じる。

まあ、致し方ないことなのだろうが、そうではない飲み屋でそうではない客としみじみ話をしながら呑みたいものだ。

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