2009年10月12日月曜日

書き手のコメント

篠田節子が垣根涼介の文庫解説を書いていたのを本屋で読んだ。
これがなかなかに深みがあった。
単なる読み手と書き手の作品に対する感想の違いを思わせるものだった。

ただ書いてさえいれば書き手になれるかというのはなかなかに大きな問題だが、おそらくそうではあるまい。
してみると、篠田節子はいつのまにか立派な書き手になっていたというわけだ。
こうして読んでみると読んでだけいる人の解説とは一味違ってくるところがおもしろい。

談志の演芸評論にも時として暖かいまなざしが登場してきてどきりとさせられるところがある。
単に受け取るだけではなかなかそこまではいかない。

そうしてみると目黒考二などは驚くべきものだ。
あれは量がいつしか質に転化した好例だろう。
本を好きであるというたった一つのことが彼をあそこまで持っていった。

これもまたすがすがしいことだ。

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